マト・ネレトリャク

マト・ネレトリャク (Mato Neretljak)

マト・ネレトリャクは、1979年6月3日生まれ、ボスニア・ヘルツェゴビナ（旧ユーゴスラビア）出身の元プロサッカー選手、現サッカー指導者です。現役時代は主にディフェンダー（DF）として活躍し、その長身を活かした空中戦の強さと、足元の技術の高さを兼ね備えた選手でした。JリーグとKリーグでの登録名は「マト（마토）」でした。

プロキャリア

ネレトリャクは、クロアチア国境に近いボスニア・ヘルツェゴビナ北部のオラシエで生まれました。2000年に地元のHNKオラシエからクロアチアリーグのNKオシエクへ移籍し、その才能を開花させます。21歳の頃にはクロアチア代表にも選出され、その実力が認められました。一時はロシアの強豪スパルタク・モスクワへの移籍話も浮上しましたが、最終的には実現せず、2002年にクロアチアの強豪ハイデュク・スプリトへ移籍しました。

2004年には、クロアチア代表として欧州選手権（EURO）にも出場。その後、2005年にKリーグ（韓国プロサッカーリーグ）の水原三星ブルーウィングスへ完全移籍を果たします。水原三星ではすぐに守備の中心選手として活躍し、DFながらも高い得点能力を発揮。2006年から2008年まで3年連続でKリーグベストイレブンに選出されるなど、チームへの貢献は非常に大きなものでした。2008年には、水原三星のKリーグ優勝に大きく貢献しました。

2009年、ネレトリャクはJ1リーグの大宮アルディージャへ完全移籍。当時の大宮の監督であった張外龍は、前年まで仁川ユナイテッドFCの監督を務めており、ネレトリャクの獲得を熱望したとされています。移籍金は80万ドル（当時のレートで約7400万円）、契約期間は2年間でした。大宮では、その経験と実力を活かし、守備陣の安定に貢献しました。

2010年11月25日、契約満了に伴い大宮アルディージャを退団。その後、2010年12月10日に水原三星ブルーウィングスへの復帰が発表され、再びKリーグの舞台でプレーすることになりました。

プレースタイル

191cmの恵まれた体格を活かした空中戦の強さが最大の武器。センターバック（CB）として、相手フォワードとの競り合いで優位に立ち、チームの守備を支えました。また、高さだけでなく足元の技術も高く、左足から繰り出される強烈なキックも魅力でした。その左足を活かして、フリーキック（FK）やペナルティーキック（PK）のプレースキッカーを務めることもありました。クロアチア時代には、左サイドバック（SB）や中盤のサイドのポジションを任された経験もあり、戦術理解度も高い選手でした。

代表歴

クロアチア代表としては、2004年のUEFA欧州選手権（EURO）に出場。また、2005年のFIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選にも出場しました。国際Aマッチ通算10試合に出場し、1得点を記録しています（2001年-2006年）。

タイトル

HNKハイデュク・スプリト
プルヴァHNL優勝：1回 (2003-04)
クロアチアカップ優勝：1回 (2002-03)
クロアチアスーパーカップ優勝：1回 (2004)

水原三星ブルーウィングス
Kリーグ優勝：1回 (2008)
Kリーグカップ優勝：2回 (2005, 2008)
韓国スーパーカップ優勝：1回 (2005)
A3チャンピオンズカップ優勝：1回 (2005)
パンパシフィックチャンピオンシップ優勝：1回 (2009)

個人
* Kリーグベストイレブン：3回 (2006, 2007, 2008)

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