マドリード工科大学

マドリード工科大学(UPM)：スペインを代表する工学・建築の殿堂

マドリード工科大学（Universidad Politécnica de Madrid、略称：UPM）は、スペイン首都マドリードに位置する公立大学です。18世紀に設立された2つの技術学校をルーツに持ち、1971年に合併して現在の形となりました。

UPMは、スペイン国内のみならず、ヨーロッパにおいても有数の工科大学として高い評価を得ています。2008～2009年のエル・ムンド紙による大学ランキングでは、工科大学部門で1位、大学全体ではマドリード・コンプルテンセ大学に次ぐ2位にランクインするなど、その高い教育水準と研究力を証明しています。また、ヨーロッパの主要工科大学で構成されるT.I.M.E.(Top Industrial Managers for Europe)にも加盟し、国際的なネットワークを築いています。

多様な教育プログラムとキャンパス

UPMは、建築学、船舶工学、鉱業工学、土木工学、林業工学、工業工学、農業工学、航空工学、化学工学など、工学分野を幅広くカバーしています。さらに、エレクトロニクス、情報技術、電気通信工学、コンピュータ科学、ソフトウェア工学、ハードウェア工学、情報システム、地質学といった現代社会のニーズに応える先端的な分野も充実しています。

特徴的なのは、UPMに統一されたキャンパスが存在しないことです。マドリード市内各地に複数のキャンパスが点在しており、シウダ・ウニベルシタテア（大学都市）やモンクロア、モンテガンセード、バジェカス・ポリテクニカル・コンプレックス（南キャンパス）、ダウンタウン・キャンパスなどが主要なキャンパスとして機能しています。

国際的な連携と学生交流

UPMは、世界各国の一流大学と積極的に連携し、活発な学生交流プログラムを実施しています。特にヨーロッパの大学とは、エラスムス協定に基づく学生交換プログラムが盛んで、フランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、スウェーデン、デンマーク、チェコ、イギリス、オーストリアなど、多くの国々と提携しています。

アジアでは日本との交流も活発で、東京大学、東京工業大学、慶應義塾大学、東京理科大学、豊橋技術科学大学、静岡大学、名古屋市立大学、岡山大学、同志社大学、大阪工業大学など、多くの日本の大学と学生交流協定を結んでいます。アメリカ合衆国、アルゼンチン、ペルーなどの南北アメリカ諸国とも連携しており、グローバルな教育環境を提供しています。

さらに、ダブル・ディグリープログラムを通して、ミュンヘン工科大学、ベルリン工科大学、ミラノ工科大学など、世界トップレベルの大学との共同学位取得も可能です。

著名な卒業生

UPMは、スペインのみならず、世界で活躍する数多くの優秀な人材を輩出しています。その卒業生には、スペイン首相を複数回務めた政治家、大手企業のCEO、著名な建築家、宇宙飛行士など、多様な分野で活躍する人々が含まれています。

建築家の分野では、フランシスコ・ハビエル・サエンス・デ・オイサ、サルバドール・バレリ、アントニオ・パラシオス、フェリックス・キャンデラ、ラファエル・モネオなど、世界的に有名な建築家がUPMの卒業生です。

その他にも、政治家、実業家、学者、芸術家など、様々な分野で活躍する人材がUPMから巣立っていきました。これらの卒業生たちの活躍が、UPMの高い教育水準と国際的な評価を裏付けています。

まとめ

マドリード工科大学は、充実した教育プログラム、国際的なネットワーク、そして優秀な人材育成という三つの柱を基盤に、スペインのみならず世界をリードする工科大学として、これからも発展を続けていくことでしょう。

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