公立大学

公立大学について

公立大学は、地方公共団体や公立大学法人が設立・運営する大学を指し、英語圏では「public university」と表現されますが、厳密には地域政府が設置する大学を表す「local governmental university」が適切な訳とされています。日本の公立大学は国立大学と共に「国公立大学」として総称されることがあります。

日本における公立大学の現状

日本には2023年現在、約100の公立大学が存在し、学生数は約17万人であり、全体の大学生数の約5.6%を占めています。公立大学の設立や運営は地方公共団体の長によって行われており、教育委員会は直接的な関与をしていません。このため、地方自治体による公立大学への影響が多々見受けられ、時として議論の的にもなっています。

公立大学の収入は、主に授業料や地方公共団体からの拠出によって賄われます。多くの公立大学では、学生からの納付金が収入の40%未満であり、国立大学よりも自主的に財源を確保していることが特徴です。ただし、私立大学よりも自主的な収入は少なめとなっています。また、以前は国からの支援がありましたが、この制度は廃止されました。

統合と公立化の進展

少子化の影響や都市圏への人の流れが続いている中、地方の大学運営は厳しい状況が続いています。このため、公立大学間の統合や地方私立大学の公立化が進められています。具体例としては、首都大学東京（現在の東京都立大学）や大阪府立大学と大阪市立大学の統合などが挙げられます。

また、地方経済への影響を考え、自地方の私立大学を公立化する動きも増加しており、授業料の低下や志願者増加の効果が期待されています。しかし、経済面から公立化に消極的な自治体も存在しており、その動向には注目です。

公立大学の入試制度

公立大学の一般入試は、国立大学同様に大学入学共通テストを受験する必要があります。さらに、大学ごとの個別試験も課されていますが、多くの公立大学では科目数を減少させ、受験生への負担を軽減しています。具体的には、国立大学の5科目7科目に対し、4科目以下での設定が一般的です。

試験日程は通常、前期・中期・後期の3回に分けられ、この間での併願が可能ですが、私立大学よりも受験回数が限られています。一方で、一部の大学では独自の試験日程も設けられており、受験の機会が多様化しています。そのため、特定の地域の高校生を優遇する学校推薦型入試も行われることがあります。

結論

公立大学は、地域の教育と経済の重要な要素として機能しており、今後もその役割や形態は多様化していくことが予想されます。地方自治体との連携や統合、新たな入試制度の導入など、教育機関としての公立大学の進化に引き続き注目が集まります。

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