マニアック (1980年の映画)

『マニアック』（Maniac）は、1980年に公開されたアメリカ合衆国のホラー映画です。名脇役として知られる俳優ジョー・スピネルが、製作総指揮・原案・脚本・主演を務めました。特殊メイクアップアーティストのトム・サヴィーニが特殊効果を担当し、役者としても出演しています。2012年には、フランク・カルフン監督、イライジャ・ウッド主演でリメイク版が製作されました。

ストーリー

物語は、巨漢のマザコン男が夜な夜な女性を捕まえ、その頭皮を剥ぎ取るという猟奇的な行為を描いています。

主人公フランク・ジトーは、幼少期に母親から虐待を受けていました。彼は母親から「お仕置き」と称して何度も衣装棚に閉じ込められ、その中で母親が日々着飾っては別の男と寝ているのを目撃します。フランクは母親を愛していましたが、やがて死別。以来、女性に対して「着飾って自分を弄んだ挙句、結局どこかへ去ってしまう」という強迫観念を抱くようになります。

フランクは生身の女性を愛することができなくなり、決して自分から離れていかない人形やマネキンで部屋を埋め尽くすようになります。しかし、それだけでは満たされず、着飾った女性や男を誘う娼婦に対して抑えようのない激情に駆られます。そしてついに、女性を殺しては衣服と頭皮を剥ぎ取り、自室のマネキンに被せて悦に入る猟奇殺人鬼へと変貌してしまうのです。

フランクは自分の行為に怯え、何度も外出をやめようとしますが、過去に囚われたもう一人の自分に押し切られ、夜な夜な街へと繰り出します。

ある日、獲物を探して徘徊していたフランクは、公園で写真家のアンナ・ダントニと知り合います。アンナを次の獲物に定め、親交を深めていくフランクでしたが、彼女を人気のない墓地に連れ出して殺そうとした際、激しく抵抗されます。アンナを取り逃がした上に、腕に怪我まで負ってしまったフランクは、母の墓前で失態を犯した自分を叱りつける母の声の幻聴を聞きながら自宅へ逃げ帰ります。そして、部屋中のマネキンが殺した女性たちの怨念となって襲い掛かってくる幻を見て発狂してしまうのです。

翌朝、前夜の事件を知った二人の警官がフランクの部屋に突入すると、ベッドの上には腹部に刃物を突き立てたまま動かないフランクが倒れていました。警官たちはフランクが死んだと判断し部屋を立ち去りますが、それを待っていたかのようにフランクは目を見開くのでした。

キャスト
フランク・ジトー: ジョー・スピネル（坂口芳貞）
アンナ・ダントニ: キャロライン・マンロー（幸田直子）
娼婦 リタ・モントーネ: アビゲイル・クレイトン

サウンドトラック

ジェイ・チャッタウェイが音楽を担当しました。

映像ソフト

複数のDVD、Blu-rayが発売されています。

作品の評価

Rotten Tomatoesでは、20件のレビューに基づいて40%の支持率を得ています。

外部リンク
allcinema
KINENOTE
MOVIE WALKER PRESS
映画.com
オールムービー（英語）
IMDb（英語）
Rotten Tomatoes（英語）

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