マヌス島

マヌス島

マヌス島は、パプアニューギニアの北部に位置するマヌス州に属し、アドミラルティ諸島最大の島です。東西約100km、南北約30kmの細長い形状をしており、その大部分が熱帯雨林に覆われています。島の中心部には標高700m級の山地が連なり、その起源は火山活動にあります。約800万年から1000万年前に海底が隆起して形成され、地層は火山性の岩石とサンゴ礁由来の石灰岩で構成されています。

地理と交通

マヌス島の人口は約33,000人です。州都ロレンガウが島の東部に位置しています。島には、マヌス州の空の玄関口であるモモテ空港がありますが、この空港は隣接するロスネグロス島にあります。ロスネグロス島とマヌス島は、ロニューブリッジという橋で結ばれています。モモテ空港は、かつて日本軍が整備した滑走路を転用したもので、周辺には日本軍とアメリカ軍の記念碑が建てられています。

島内の幹線道路は限られており、モモテ空港からロレンガウタウンを結ぶ道路と、島の中央部にある村々を結ぶ未舗装の道路が主なものです。島の西側には実質的に車が通行できる道は存在せず、西側の村々への移動は、小型のエンジン付きボートが主要な交通手段となっています。ロレンガウタウンから西端のビピ島までは、ボートで約8時間かかります。

教育

島内には、中学校と高校を併設した学校が4校あります。ロレンガウタウンには、ECOM HIGH SCHOOLとMANUS SECONDARY SCHOOLがあり、モモテ空港の近くにはPAPITALAI SECONDARY SCHOOLがあります。また、島の西側にもう1校ハイスクールが存在します。

歴史

第二次世界大戦

1942年、日本軍はマヌス島に基地を建設しました。しかし、1944年2月から3月にかけてアメリカ軍によるアドミラルティ諸島攻略作戦が行われ、日本軍は壊滅しました。その後、連合国軍はマヌス島を補給拠点として活用しました。第二次世界大戦後には、マヌス島はBC級戦犯裁判の舞台となりました。西村琢磨中将は、シンガポールでの華僑虐殺事件への関与で終身刑を宣告された後、マヌス島に移送され、オーストラリア軍の軍事法廷で再び裁かれました。パリ・スロンでの負傷兵に対する銃撃命令が問題となり、有罪判決を受け、1951年に絞首刑となりました。1950年には、マヌス島に収容されていた戦犯16人が日本に帰国しました。

その後

アメリカの文化人類学者マーガレット・ミードは、第二次世界大戦前後のマヌス島での生活を詳細に記述した著書『Growing up in New Guinea』を著しました。2001年、オーストラリア政府は、難民申請者の審査と収容を目的とした施設をマヌス島に設置しました。これはパシフィック・ソリューションの一環として行われたもので、難民申請者をオーストラリア本土に受け入れず、国外で審査を行うというものです。2003年から2004年にかけて、アラジン・シサーレムという難民が収容され、その後、難民保護が認められました。その後、オーストラリア政府は難民施設を再開し、2016年現在も多くの難民が収容されています。

脚注

ManusIsland.com
Map of Manus Island
* Map of PNG showing location of Manus Island

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