マハ

マハ（MHA）: 地球連邦内の秘密警察組織

マハは、富野由悠季の小説『ガイア・ギア』に登場する架空の組織であり、地球連邦内の秘密警察機関としての役割を担っています。同作品の主人公が所属する反地球連邦政府組織メタトロンとは対立関係にあります。マハは対立の中で、独自の権力構造と目的を持つ組織として描かれています。

1. 組織の概要

マハの正式名称は「地球連邦政府警察機構特捜第十三課」で、通称は「人狩り局（Man Hunting Agency）」です。マハは、かつて地球の不法居住者を取り締まるために設立された「マンハンター」組織を母体としています。彼らは秘密警察として、地球連邦による規律を意識的に無視しながら、反逆的な活動に従事しています。

ラジオドラマ版では、マハは地球連邦軍内に新設された「マンハンティング部局」として描かれ、指揮官であるビジャン・ダーゴル大佐の下で「スペース・マハ」と呼称される部隊を構成しています。彼は組織からの絶対的信頼を受け、指導者として崇拝されています。

2. 組織構造とメンバー

マハは実力主義の理念に基づいて職員を選出し、地球連邦政府とは異なり、家柄や血統、学歴によってではなく能力に応じた人材が集められます。組織内には士官以上の志願兵が多く、軍事作戦に必要なマン・マシーンや巡洋艦を保有し、軍隊に匹敵する戦力を誇りますが、あくまで警察機構の一部に過ぎないと強調されています。

主な指導者であるビジャン・ダーゴルは、連邦政府の指揮下ではなく、マハに独自の権力を持たせようと活動を展開します。彼の考えでは、連邦政府の存在を脅かすためには敵を作る必要があります。これに基づき、ダーゴルは地球連邦政府から独立した国家の設立を目指し始めます。彼は「ガイア帝国」という新たな国家を建設する構想を抱いています。

3. 地球逆移民計画

ダーゴルが主導する「地球逆移民計画」は、地球連邦政府を掌握するための策略で、マハの活動に参加する者に逆移民権を与えると謳って支持を集めようとしています。この計画は表向きは人々の移住を通じて新たな政府を構築することを目指していますが、実際にはマハの権力を強化するためのもので、選別されたエリートによる管理社会を狙っています。

特に「白人第一主義」の意図が隠されており、特定の人種からの移民を優先的に受け入れるという差別的な側面も見え隠れしています。この計画は、支配された人々の資源を利用してマハという独立国家を作り上げるいわば構想であり、ダーゴルはこれに全力を注いでいます。

4. ガイア帝国の理念

ダーゴルは、マハの独立国家において極度に選別されたエリートたちによる支配を想定しています。彼は「ワーグナーを愛せるような人々」を集め、自らの理想を実現しようとします。また、反連邦政府的な姿勢を強化し、独自の国家としての基盤を築くことを目指すのです。このため、地球と宇宙の間に人間の選別管理を持ち込む意図を持って謀略を巡らせています。

5. まとめ

マハはただの反政府組織に留まらず、地球連邦政府に対抗するための複雑な力の構造として存在しています。彼らは新たな国家を形成し、独自のビジョンに基づいて生き残る権利を主張しています。このような背景から、マハの活動は今後さらなる展開を見せることでしょう。

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