マパム

マパム（מפ"ם）

概要

マパム（正式名称：統一労働者党）は、1948年1月にイスラエルで設立された左派政党で、現在の「メレツ」の前身としても知られています。ユダヤ人のみから構成され、労働シオニズムを基盤にしながら、パレスチナとの融和やマルクス主義に基づく政策を掲げていました。イスラエルでの左派の立場を確立し、この党は当時の労働シオニズムを主導する政党マパイ（現在の労働党の前身）に対抗して、より左寄りの立場を持っていました。

党は、ソビエト連邦に親しい姿勢をとることでも知られており、この点でマパイとは異なる特徴がありました。興味深いのは、マパムとマパイは元々「ポアレ・ツィオン」という一つの組織から発展したことです。この組織は、理論的指導者ベル・ボロコフの死を契機に右派と左派に分裂し、それぞれが異なる道を辿りました。日本における昔の社会党の右派と左派の関係に似ていると言えます。

党史

1949年のクネセト第1回選挙では、マパムは19議席を獲得し、これが党の最大議席数でした。しかし、その後の選挙で党の支持は低下し、議席数は減少していきました。時には増加する選挙もありましたが、全体的な傾向としては衰退が顕著でした。最終的に1992年、マパムは「ラッツ」と「シヌイ」と合流し、新たに「メレツ」を結成しました。

メレツの現状

現在、メレツはクネセトにおいて120議席中わずか3議席を占めており、一般のイスラエル市民からの広範な支持を受けていると見るのは難しい状況です。このような状況は、完全比例代表制の採用により、各政党の支持状況が直に反映されているため分かりやすい一面もあります。しかし、メレツはマパム時代からの左派的信条を継承し続け、平和運動団体「ピース・ナウ」との協力により、イスラエルとパレスチナの平和な共存を主張しています。

歴代党首

• - メイル・ヤアリ
• - ヤアコブ・ハザン
• - メイル・タルミ
• - ヴィクター・シェム＝トヴ
• - ヤイル・ツァバン
• - ハイム・オロン

脚注

マパムからメレツに至る過程は、当時の社会情勢や政治的背景を反映したものであり、イスラエルの現代政治史における重要な一コマとなっています。例えば、イラン・ギロンなどは、マパムの青年組織のメンバーを経てメレツの議員となり、両党の流れを実証しています。マパムの理念や活動は、現在もメレツを通じて脈々と受け継がれ、ますます注目される課題を提供しています。

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