マフグ

マフグ：美味と毒の両面を持つフグ

マフグ（学名： Takifugu porphyreus ）は、日本海と東シナ海に生息するフグ科の魚です。クロフグ、ナメラフグ、フグトン、メアカ、モンツキなど、様々な呼び名で親しまれています。体長は約40cmほどで、トラフグやシマフグと比べると小型です。

その見た目には、独特の特徴があります。背面は褐色をしており、臀びれ（しりびれ）は黄色みを帯びているのが特徴です。また、胸びれ（むなびれ）の後方と背びれ（せびれ）の基部には、大きな黒い紋が確認できます。背びれの軟条数は12～17本、臀びれの軟条数は11～15本とされています。

食性としては、甲殻類や軟体動物を主に捕食しています。

しかし、マフグは美味な一方で、非常に危険な毒を持つ魚としても知られています。肝臓や卵巣には猛毒が含まれ、皮膚や腸にも強毒が存在します。血液にも毒が含まれているため、取り扱いには細心の注意が必要です。食用となるのは筋肉と精巣のみで、これら以外の部位は絶対に口にしてはいけません。

近年、マフグは食用として注目を集めています。トラフグと比較して、旨み成分が豊富であることから、その人気は高まりを見せています。特に北海道の初山別村では、マフグ漁が盛んに行われており、地元ではマフグを使った料理が名物として親しまれています。

市場では、稀にムキフグ（皮を剥いだ状態）として、小型のマフグが販売されることがあります。ただし、養殖は行われていないため、天然物のみが流通しています。

マフグは、その美味しさの裏側に潜む危険性と、地域に根付いた食文化の両面を併せ持つ、魅力的な魚と言えるでしょう。マフグを食べる際は、必ず専門の調理師が処理したものを選び、安全に配慮していただくことが大切です。

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