マボロシ (曲)

ゆずの配信限定シングル「マボロシ」：新たな境地を切り開いた幻想的なバラード

2018年11月16日、セーニャ・アンド・カンパニーより、ゆずの配信限定シングル「マボロシ」がリリースされました。前作「マスカット」から3ヶ月ぶりとなる本作は、NHKドラマ『昭和元禄落語心中』の主題歌として制作されました。

ボーカルの北川悠仁氏は、原作を読み込み、ドラマの世界観を深く理解した上で楽曲制作に臨みました。単なる主題歌にとどまらず、ゆずの新たな表現を模索する試みとして、「マボロシ」は制作されました。そのため、これまでにゆずのイメージとして広く認知されてきた「前向きでポップ」なサウンドとは一線を画す、シリアスで幻想的なミディアムバラードに仕上がっています。編曲はSUNNY BOYが担当しました。

北川氏自身、「昭和元禄落語心中」が持つ物語の闇と、その中に潜む美しさを追求する過程で「マボロシ」というキーワードが浮かび上がり、それが楽曲制作の大きな推進力となったと語っています。結果として、これまでのゆずの楽曲にはない、深みのある作品が誕生しました。ドラマ主題歌としては、2013年の「雨のち晴レルヤ」以来、5年ぶりの作品となります。なお、ドラマ挿入歌はその後も発表されています。

ミュージックビデオは、映画監督の島田大介氏が監督を務めました。廃墟を舞台に、北川氏と岩沢厚治氏のそれぞれのストーリーが交差する、全編モノクロの映像作品となっています。特筆すべきは、ゆずのミュージックビデオとしては初めて、2人が出演しながら演奏シーンが一切ないという斬新な構成を採用している点です。

さらに、「マボロシ」の世界観をより深く伝える試みとして、写真家の北岡稔章氏が手がけたメインビジュアルとジャケット写真、そして北川氏の楽曲への想いを込めた写真展「ゆず マボロシ展」が、12月7日から東京・目黒のデザインホテルCLASKA“The 8thGallery”で開催されました。北澤氏の言葉を通して、アートワークが楽曲の深層に迫る内容となっています。

「マボロシ」は、単なる楽曲にとどまらず、ゆずの音楽性における新たな挑戦と、深く繊細な世界観を表現した、記憶に残る作品と言えるでしょう。作詞・作曲は北川悠仁氏によって行われました。

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