ママス&パパス

ママス&パパス（The Mamas & the Papas）は、1960年代のアメリカを代表するフォークグループです。1998年にはロックの殿堂入りを果たしており、その音楽的な功績は広く認められています。

結成までの道のり

1960年代初頭、キャス・エリオットが所属していたフォークバンド「ビッグ・スリー」と、デニー・ドハーティが所属していたバンド「ハリファックス・スリー」のメンバーが集まり、「マグワンプス」というバンドを結成しました。しかし、このバンドはアルバムをリリースすることなく解散。その後、エリオットはジャズシンガーとして、ドハーティはジョンとミシェルのフィリップス夫妻が所属するフォークバンド「ニュー・ジャーニー・メン」に参加します。

「ニュー・ジャーニー・メン」は次第にフォークロックへと転換し、カリフォルニア州へと拠点を移します。そこでエリオットとドハーティが再会し、1965年に「ママス&パパス」が誕生しました。

音楽活動と成功

1965年11月、ママス&パパスは『青空を探せ Go Where You Wanna Go』でデビュー。同年12月には、フィリップス夫妻が作詞作曲した「夢のカリフォルニア」を発表し、全米4位の大ヒットとなりました。続く3枚目のシングル「マンデー・マンデー」は全米1位を獲得し、ファーストアルバム『夢のカリフォルニア(原題:If You Can Believe Your Eyes and Ears)』もロングヒットを記録。グループは瞬く間に人気を獲得しました。

しかし、絶頂期にミシェル・フィリップスとデニー・ドハーティの不倫が発覚し、1966年にミシェルが一時的にグループを脱退。その後、ミシェルは復帰し、ジョンともよりを戻しました。同年発売のシングル「アイ・ソー・ハー・アゲイン」が全米5位、セカンドアルバム『The Mamas & The Papas』も全米4位を記録するなど、グループの人気は衰えませんでした。

1967年には、サードアルバム『Deliver』が全米2位を記録し、「愛する君に(Dedicated to the One I love)」は全米・全英共に2位、「クリーク・アリー」も全米5位と、数々のヒット曲を連発しました。同年6月にはモンタレー・ポップ・フェスティバルに出演し、ジョンが書き下ろした「花のサンフランシスコ」は、スコット・マッケンジーが歌い、全米4位を記録しました。

グループの崩壊とその後

グループは「朝日をもとめて」「悲しみを幸せに(原題:Glad to Be Unhappy)」などのヒット曲を出し続けましたが、ジョンとミシェルの夫婦関係は再び悪化。1968年、グループは解散し、メンバーはそれぞれソロ活動を開始しました。契約上の都合で制作された最後のアルバム『People Like Us』は、各メンバーが別々に録音した曲をまとめたものでした。

キャス・エリオットはソロ活動で成功を収めましたが、1974年に心臓発作で急逝。1980年代には、多くのバンドが再結成する中、ママス&パパスも女性メンバーを入れ替えて再結成し、1994年には初来日公演も行いました。この時のオリジナルメンバーはデニーのみで、ジョンは腰痛のためツアーに参加できず、代わりにスコット・マッケンジーが参加しました。

ジョンの娘であるチャイナは、ブライアン・ウィルソンの娘たちと「ウィルソン・フィリップス」を結成し、「ホールド・オン」などのヒット曲を放ちました。ジョンは2001年に、デニーは2007年に亡くなっています。

ミシェルは主に女優として活躍し、『デリンジャー』（1973年）や『バレンチノ』（1976年）などに出演しました。

メンバー

ジョン・フィリップス（1935年8月30日 - 2001年3月18日）
デニー・ドハーティ（1940年11月29日 - 2007年1月19日）
キャス・エリオット（1941年9月19日 - 1974年7月29日）
ミシェル・フィリップス（1944年6月4日 - ）

ママス&パパスは、その美しいハーモニーと、メンバー間の複雑な人間関係が絡み合ったドラマチックな歴史で、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

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