ママ・セッド

アルバム『ママ・セッド』について

レニー・クラヴィッツにとって、1991年にリリースされた『ママ・セッド』（Mama Said）は、彼のキャリアにおける重要な作品となりました。このアルバムは、彼の音楽スタイルが確立された時期のものであり、多彩な楽曲が収められています。特に、シングルとしてヒットした「It Ain't Over 'til It's Over」や「Always on the Run」は、クラヴィッツの独特なサウンドを象徴する曲として知られています。

アルバムの背景

『ママ・セッド』には、さまざまなアーティストとのコラボレーションが見られ、スラッシュ（ガンズ・アンド・ローゼズのメンバー）やショーン・レノンといった顔ぶれが参加しています。まず、「フィールズ・オブ・ジョイ」は、ニューヨーク・ロック・アンサンブルの1971年のアルバムに収録されていた曲のカバーであり、これにスラッシュが参加しました。また、「オール・アイ・エヴァー・ウォンテッド」ではショーン・レノンが作曲とピアノプレイを担当しました。

アメリカ盤と日本盤では収録曲は同じですが、曲順が異なっている点も興味深いポイントです。全体として、レニー・クラヴィッツは自身の受けたさまざまな音楽的影響を取り入れながら、一貫したサウンドを築いています。

反響と評価

アルバムは、アメリカのBillboard 200で39位に達し、まずはトップ40に入りました。1991年10月にRIAAからゴールドディスクに認定されたほか、1995年5月にはプラチナディスクに認定されています。また、全英アルバムチャートでも8位にランクインし、初のトップ10入りを果たしました。オランダでもトップ10に入り、合計14週間にわたってその位置をキープするという大ヒットを記録しました。

音楽評論家のスティーブン・トーマス・アールワインは、オールミュージックでのレビューの中で、クラヴィッツが1972年にリリースされたアルバムのようにクラシック・ロックへのオマージュを施し、緻密にプロデュースされていると高く評価しました。特に、「It Ain't Over 'til It's Over」や「Always on the Run」は、聴く者を魅了するシングルになる素晴らしさがあると述べています。

収録曲と参加ミュージシャン

アルバムには、全12曲が収められており、大半の楽曲はレニー・クラヴィッツが作詞・作曲を担当しています。以下に、主な収録曲とその特長を紹介します。

• - ホワット・ザ・ファック / What the Fuck Are We Saying? - 5:10
• - フィールズ・オブ・ジョイ / Fields of Joy - 4:03
• - オール・アイ・エヴァー・ウォンテッド / All I Ever Wanted - 4:04 (ショーン・レノンが作曲)
• - イット・エイント・オーヴァー・ティル・イッツ・オーヴァー / It Ain't Over 'til It's Over - 3:55
• - オールウェイズ・オン・ザ・ラン / Always on the Run - 3:57 (スラッシュ参加)

参加ミュージシャンには、レニー・クラヴィッツのほか、スラッシュやショーン・レノンが名を連ねており、彼らの演奏がアルバムに深みを与えています。特に、レニーはボーカルだけでなく、多くの楽器を自ら演奏し、プロデューサーとしての才能も発揮しました。この作品を通じて、彼は音楽界における自らの地位を確立することに成功したのです。アルバム『ママ・セッド』は、レニー・クラヴィッツにとってただの作品ではなく、彼の音楽的発展を象徴する一枚となっています。

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