マラドロワ

ウィーザーの『マラドロワ』について

ウィーザーの4枚目のスタジオ・アルバム『マラドロワ』（Maladroit）は、2002年にリリースされ、その時期にアメリカのオルタナティヴ・ロックシーンにおいて注目を浴びました。本作は、バンドに新たに加入したスコット･シュライナーを迎え、音楽的な厚みを増した作品となっています。

アルバム制作の背景

『マラドロワ』のレコーディングは2001年12月に始まり、翌年の1月にはマイアミのサウス・ビーチ・スタジオでミキシングが行われました。その過程で、バンド側はデモ音源を自らの公式サイトに公開し、さらに収録曲の一部を無断でラジオ局に送付するなど、プロモーションに積極的でした。特に「ドープ・ノーズ」は、公式発表前に幾つかの局で流れることで人気を博しました。リーダーのリヴァース・クオモによると、レーベルのゲフィンが希望のタイミングでアルバムをリリースしなかったため、こうした手段を取る必要があったとのことです。この結果、アルバムのリリースを早めることができたと言われています。

反響と評価

本作はアメリカのBillboard 200で3位を記録し、その収録曲からシングル「ドープ・ノーズ」は『ビルボード』のメインストリーム・ロック・チャートで8位に達しました。また、「キープ・フィッシン」も同チャートで15位にランクインし、商業的にも成功を収めました。驚くべきことに、このアルバムはリリースからわずか数ヶ月後の2002年6月にゴールドディスクに認定され、ノルウェーのアルバム・チャートでも4位に入りました。さらに、アメリカの『スピン』誌が選ぶ「2002年のベスト・アルバム40」では6位に選ばれるなど、高い評価を受けた事実も注目に値します。

収録曲

本アルバムにはリヴァース・クオモが作詞・作曲を手掛けた楽曲が全て収録されています。具体的には、以下のトラックが含まれています：
1. アメリカン･ジゴロ - American Gigolo (2:42)
2. ドープ･ノーズ - Dope Nose (2:17)
3. キープ･フィッシン - Keep Fishin' (2:52)
4. テイク･コントロール - Take Control (3:04)
5. デス･アンド･デストラクション - Death and Destruction (2:38)
6. スロブ - Slob (3:08)
7. バーント・ジャム - Burndt Jamb (2:39)
8. スペース･ロック - Space Rock (1:53)
9. スレイヴ - Slave (2:53)
10. フォール･トゥギャザー - Fall Together (2:00)
11. ポシビリティーズ - Possibilities (1:59)
12. ラヴ･エクスプロージョン - Love Explosion (2:34)
13. ディセンバー - December (3:00)

日本盤にはボーナス・トラックとして「アイランド・イン・ザ・サン」（3:20）や「リヴィング・ウィズアウト・ユー」（2:36）も収録されています。

参加ミュージシャン

本作には、以下のメンバーが参加しています：

• - リヴァース・クオモ - ボーカル、ギター
• - ブライアン・ベル - ギター、バッキング・ボーカル
• - スコット・シュライナー - ベース
• - パトリック・ウィルソン - ドラムス

『マラドロワ』は、ウィーザーにとって重要な一枚であり、バンドの音楽的進化を示す作品として、特にファンや音楽評論家からの評価が高いアルバムです。

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