マラヴァーンFC

マラヴァーン・バンダレ・アンザリーFC

マラヴァーン・バンダレ・アンザリーFC (Malavan Bandar Anzali Football Club) は、イラン・ギーラーン州の港町バンダレ・アンザリーを本拠地とするサッカークラブです。クラブ名である「マラヴァーン」はペルシア語で「水兵」を意味し、その名が示すように、イラン海軍と深い関係を持っています。

首都テヘラン以外のクラブとしては、国内リーグで常にトップクラスの観客動員数を誇るほどの人気クラブであり、地元では熱狂的なサポーターに支えられています。

クラブの株式は、イランのビジネスマンであるホセイン・ヘダーヤティーが70％、イラン海軍が30％を保有しています。また、国内でも優れた若手育成プログラムを持つクラブとして知られており、多くの才能ある選手を輩出しています。

現在は、イラン国内最上位リーグであるイラン・プロリーグに所属し、上位進出を目指して戦っています。

歴史

1969年、バフマン・サーレフニヤーがバンダレ・アンザリーの若手アスリートとともにクラブを創設しました。その後、イラン海軍がメインスポンサーおよびオーナーとなり、クラブの運営を支援することになりました。

サーレフニヤーはクラブの「父」とも呼ばれる存在で、1973年から1998年までの長きにわたり監督を務めました。彼の指導の下、クラブは国内1部リーグへの昇格・復帰を果たすなど、目覚ましい発展を遂げました。

クラブは国内リーグでの優勝経験はありませんが、1977年と1989年には3位に入賞し、テヘラン以外のクラブとしては最高位の成績を収めました。また、ハズフィー・カップでは1976年、1987年、1990年の3回優勝しています。

1988年にはアジアクラブ選手権に出場しましたが、1回戦でサウンダーズSCを破った後、イラン・イラク戦争の影響で参加を辞退せざるを得なくなりました。

近年は、監督の交代が少ないこともあり、リーグ中位に定着しています。しかし、ビッグクラブに挑戦するシーズンもあり、2010-2011シーズンにはリーグ戦を8位で終え、ハズフィー・カップでは決勝に進出しました (ペルセポリスFCに敗れ準優勝)。

エル・ギーラーノ

バンダレ・アンザリーとラシュトは、ギーラーン州で1、2を争う大規模都市です。バンダレ・アンザリーはイラン北部最大の港町であり、ラシュトはギーラーン州の州都です。この2つの都市のサッカークラブ間には、強い対抗意識が存在します。

マラヴァーンはバンダレ・アンザリー市内で最も上位のクラブであり、SCダーマーシュはラシュト市で最も上位のクラブです (ラシュトには他にセピードルード・ラシュトFCというクラブも存在します)。マラヴァーンとダーマーシュまたはセピードルードとの試合は、「ギーラーンダービー」または「エル・ギーラーノ」として知られています。

過去には、ダービーマッチ後に観客席が破壊されるなどの事件も発生しており、両クラブのサポーター間の対立は激化しています。

サポーター

マラヴァーンのサポーターは、情熱的な応援とクラブへの忠誠心が高いことで知られています。彼らは、クラブの愛称である「北の白鳥」や、クラブの故郷であるバンダレ・アンザリーを称えるチャントを歌い、選手たちを鼓舞します。

また、地元の英雄であるシールース・ガーイーガラーンに対しては特別な敬意を払っており、クラブが苦しい状況にある時には、彼の名前を呼ぶチャントを歌い、選手たちに奮起を促します。

2010-2011シーズンのハズフィー・カップ準決勝でエステグラルと対戦した際には、スタジアムの収容人数を大幅に超えるファンが詰めかけ、マラヴァーンの勝利を街中で祝いました。しかし、決勝でペルセポリスに敗れると、多くのファンがスタジアムのフェンスを破壊し、ピッチに乱入する騒ぎを起こしました。

マラヴァーン・バンダレ・アンザリーFCは、地元に根ざしたクラブとして、これからもサポーターとともに歴史を刻んでいくことでしょう。

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