マリアクラブ

マリアクラブの歴史

概要

マリアクラブは、1986年11月25日から1997年7月31日まで福岡県福岡市中央区舞鶴で営業していたディスコです。冬野観光が設立し、その開店当初にはTM NETWORK|TM_NETWORKによるライブが開催され、多くの若者たちが訪れる「九州最大級」と称されました。親不孝通り沿いに開店した後、移転して「マリアストリート」という名の路地が誕生し、周囲には多種多様なディスコやクラブが軒を連ねる場所となりました。また、マリアビル内には24時間営業の書店「ブックスマリア」やダンキンドーナツもあり、昼夜を問わず活気にあふれたスポットでした。

このクラブの最大の特徴は、延べ床面積2200平方メートルを誇る大規模なフロアでした。地上5階建てで、1階と2階にはそれぞれダンスフロアが設けられ、特に2階のメインホールには最先端の照明装置や音響設備が完備されていました。音楽スタイルは、1階ではハウスやブラックミュージック、2階ではユーロビートが中心となっていました。

盛況の時代と衰退

マリアクラブは、バブル時代の賑わいの中で若者たちの社交場として機能し、多数の客を収容しました。しかし、バブル崩壊とともに、ディスコの人気も急減し、来店客が次第に減少していきました。1997年7月31日には閉店に至り、その後は廃墟と化しました。

2003年1月8日からは建物の取り壊し工事が始まり、その跡地には2005年に15階建てのマンション「グランパーク天神」が新築されました。現在も「マリアストリート」という名称が使われているところもあり、当時の活気を記憶している人々にとっては特別な場所となっています。

冬野観光とその跡

マリアクラブを運営した冬野観光は、キャバクラブームのさなか「スキャンダルレディ」などで名を馳せ、「中洲の夜の帝王」とも称されました。しかし、ブームが落ち着き始めると、親不孝通りにマリアクラブを開設し、新たなターゲット層を獲得しました。ここでは20代から40代までの男女が遊び場として楽しむだけでなく、ビジネスミーティングの場としても利用されました。

冬野観光は、その華やかなイメージに相応しい派手なオープンカーを2台使い、広告宣伝を行っていましたが、バブル崩壊後の不況やディスコブーム終焉の影響を受け、2001年4月に経営破綻に至ります。経営していた店舗には、マリアクラブの他にも多様な形態の飲食店や娯楽施設がありました。

結論

マリアクラブの存在は、福岡のナイトライフ史において重要な役割を果たし、多くの人々にとって懐かしい思い出とともに、音楽とダンスの楽しさを提供してきました。特に、若者たちが集い、新しい文化を創造したこの場所は、福岡市の歴史の中でひとつの象徴として記憶され続けるでしょう。

もう一度検索