マリア・エヴァ

マリア・エヴァ（Maria Eva Livelo、1956年4月13日-）は、フィリピン・マリンドゥケ島モグポッグ出身のジャズシンガーです。

音楽一家に生まれ育ち、幼い頃から音楽に囲まれた環境で育ちました。スペイン系の曾祖母はソプラノ歌手、祖父は音楽教師であり、父、兄、弟（モグポッグ市長）もブラスバンドのメンバーとして活躍していました。マリア自身も幼少の頃から音楽の手ほどきを受け、教会のセレモニーなどでソロを歌っていました。

その後、各地のコンテストで優勝を重ね、テレビやラジオに出演するなど、プロとしてのキャリアをスタートさせました。

26歳で来日し、当初はソウルやポップスを歌っていましたが、その後ジャズ・ヴォーカルに専念。各地のクラブ、ホテル、コンサート、ジャズフェスティバルなどで歌い、着実に実績を積み上げていきました。黎明期からの日本ジャズ界の巨匠であるレイモンド・コンデを同じフィリピン人として尊敬しています。1991年にはシアター・サンモールで初のコンサートを開催し、CD「マリア・エヴァ・クラブ」では、その歌唱力、ジャズフィーリング、豊かな声量が評判を呼びました。

ネイティブ並みの英語力も彼女の強みであり、英語の歌詞を通して聴衆を魅了します。都内や横浜、周辺都市の一流ジャズクラブやライブハウス、ホテル、学校などで公演を行い、世良譲、ジョージ川口、北村英治、西条孝之介などのスタープレイヤーや、前田憲男、山下洋輔など、数多くの著名なミュージシャンと共演しています。

岩浪洋三氏は彼女の歌声について「その華やかで、スイングする歌は大変好評で、口先だけで歌う歌手が多い中で、マリア・エヴァの力強い唱法とソウルフルなジャズフィーリングは大きな魅力である。本当の歌を聴いたという満足感とすがすがしさを感じさせてくれる。」と評しています。

その貫禄あるソウルフルな歌唱力は、日本ジャズ界で広く認められ、2010年には「日本ジャズヴォーカル賞」大賞を受賞。外国人ジャズシンガーとしては初の快挙となりました。

主なリリース作品

マリア・エヴァクラブ
STARDUST
Prelude To A Kiss ～キスへのプレリュード

経歴

1979年：初来日
1982年：音楽活動の拠点を日本に移す
1991年：ファーストCD「マリア・エヴァ・クラブ」リリース
1994年：横浜旭ジャズ祭り、ジャズ・イン・ヨコハマ、サマージャズフェスティバルなどに出演
2002年：日本ジャズヴォーカル賞 優秀歌唱賞受賞
2009年：アルバム「Prelude To A Kiss ～キスへのプレリュード」リリース
2010年：日本ジャズヴォーカル賞 大賞受賞

主な共演者

前田憲男、西条孝之助、猪俣猛、金井英人、杉浦良三、コンゲントリオ、山本剛トリオ、野力奏一トリオ、大野雄二トリオ、吉岡秀晃トリオ、福田重男トリオ、世良譲トリオ、クリヤマコトトリオ、青木弘武トリオ、ジョージ川口&ニュービック4、市川秀男トリオ、ミュージック・マジック・オーケストラなど、多数。

マリア・エヴァは、現在もライブハウス、クラブ、コンサートなどで精力的に活動しており、後進の育成にも力を注いでいます。

外部リンク

* 公式サイト

もう一度検索