マリア・コロン

マリア・コロン：キューバの伝説的やり投選手

マリア・コロン（María Caridad Colón、1958年3月25日 - ）は、キューバの陸上競技選手で、特にやり投の分野で輝かしい実績を残しました。1980年モスクワオリンピックでは、68.40mの記録で金メダルを獲得し、キューバに初の女性金メダリストという栄誉をもたらしました。

モスクワオリンピックまでの道のり

コロンは、1978年の中米カリブ海ゲームズで63.40mを投げて優勝し、その才能を開花させました。翌1979年には、プエルトリコのサンファンで開催されたパンアメリカンゲームズでも優勝を飾ります。同年8月には、カナダのモントリオールで行われたワールドカップで63.50mを記録し、3位に入賞しました。

1980年、モスクワオリンピックが開催されるシーズンに入ると、コロンは急速に実力を伸ばしました。6月1日には自己ベストを65.64mに更新し、その2日後には66.80m、さらに6日後には68.04mまで記録を伸ばしました。オリンピック開幕まで2ヶ月を切った頃には、世界のトップレベルに迫る勢いでした。

当時、コロンの世界ランキングは7位でしたが、オリンピックには彼女よりも上位の記録を持つ選手が5人も出場することになっていました。厳しい戦いが予想されました。

モスクワオリンピックでの金メダル獲得

1980年7月25日、モスクワオリンピックの決勝。
コロンは1投目にいきなり68.40mのオリンピック新記録を樹立します。自己ベストを更新する素晴らしい投擲に、ライバルたちはプレッシャーを感じ、本来の力を発揮できませんでした。コロンは、この最初の1投で金メダルをほぼ手中に収め、キューバに歴史的な勝利をもたらしました。

その後のキャリア

1983年の世界選手権では8位に終わったコロンですが、翌年には自己ベストを69.96mまで更新しました。しかし、1984年ロサンゼルスオリンピックまで2ヶ月を切った時期に、キューバがオリンピックをボイコットしたため、彼女の連覇の夢は叶いませんでした。

1986年には70.14mという記録を出したコロンですが、1988年のオリンピックイヤーには67.44mの記録を持っていたにもかかわらず、キューバ政府は1988年ソウルオリンピックもボイコットしたため、彼女が再びオリンピックに出場する機会は訪れませんでした。

マリア・コロンは、その輝かしい実績と、オリンピックという舞台でのドラマチックな勝利で、キューバのスポーツ史に永遠に名を刻むこととなりました。

外部リンク

マリア・コロン - 国際オリンピック委員会 (英語)
マリア・コロン - オリンピックチャンネル
マリア・コロン - Olympedia (英語)
マリア・コロン - Sports-Reference.com (Olympics) のアーカイブ (英語)
マリア・コロン - 国際陸上競技連盟 (英語)
マリア・コロン - TrackField.brinkster.net (英語)

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