1984年ロサンゼルスオリンピック

1984年ロサンゼルスオリンピックの概要

1984年ロサンゼルスオリンピックは、1984年7月28日から8月12日までの16日間にわたり、アメリカ合衆国のロサンゼルスで開催されたオリンピック競技大会です。この大会は、一般に「ロス五輪」や「ロサンゼルス1984」として知られています。特筆すべきは、この大会から夏季オリンピックの入賞枠が6位までから8位までに拡大されたことです。

開催地選考

大会の開催地選考は1970年代の不安定な状況から始まりました。1972年ミュンヘンオリンピックにおけるテロ事件や、1976年モントリオールオリンピックの巨額赤字が影響し、オリンピックの開催地としての人気が低下していました。1975年にはテヘランが立候補しましたが、1977年には撤回。最終的にアメリカ国内でロサンゼルスが候補に選ばれると、1978年のIOC総会で正式に開催地に決まります。

商業五輪としての成功

ロサンゼルスオリンピックは、初めて税金を一切使わずに開催された大会としても知られています。これまでの大会では公的資金が多く投入され、赤字を抱えることが常でしたが、ロサンゼルスでは民間の資金調達を重視しました。大会組織委員長には、南カリフォルニアの旅行代理店の経営者であるピーター・ユベロスが就任し、既存の施設を活用した運営計画とともに、財源を確保するために積極的にスポンサーを募りました。

具体的には、四つの収入源で運営されました。第一に、テレビ放映権料としてABCネットワークとの契約があり、従来の常識を超える契約金を得ました。次に、1業種1社というスポンサー制を導入し、企業の協賛金を集めました。さらには、入場料収入や記念グッズの売上も重要な財源となり、最終的には2億1500万ドルの黒字を計上しました。

ボイコットと参加国

1980年のモスクワオリンピックへのアメリカのボイコットの影響を受けて、1984年の大会では多くの東側諸国が参加しませんでした。しかし、その影響もあり、アメリカ選手は自国開催の利点を生かし、多くの競技でメダルを獲得しました。特に、体操女子個人総合で金メダルを獲得したメアリー・ルー・レットンの成功は、アメリカで体操人気を呼び起こし、その後の体操ブームにつながったといえます。

開会式と閉会式

開会式はロナルド・レーガン大統領による宣言を皮切りに、盛大に行われました。特に印象深いのは、空中遊泳を行った「ロケットマン」の演出で、多くの観客を魅了しました。一方、閉会式もまたユニークなもので、聖火が消える際には光と音の演出が行われました。

競技会場

競技はロサンゼルスを中心に、オレンジ郡やサンディエゴ郡など、広範囲にわたりました。主な競技会場には、ロサンゼルス・メモリアル・コロシアムやドジャー・スタジアム、アナハイム・コンベンションセンターなどがありました。それぞれの施設が大会の成功に寄与しました。

結論

ロサンゼルスオリンピックは、商業的成功を収めただけでなく、選手たちにとっても貴重な経験となり、また歴史に名を刻む大会となりました。この大会の運営は、今後のオリンピックに多大な影響を及ぼすこととなりました。

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