マリオン・デュフレーヌ (海洋調査船・2代)

マリオン・デュフレーヌについて

マリオン・デュフレーヌ（RV Marion Dufresne）は、フランスの海洋調査船で、同名の探検家にちなんで名付けられました。この船は、フランス極地研究所（IPEV）が運用しており、海洋に関する多様な科学研究を行うと同時に、フランス領南方・南極地域（TAAF）での補給活動にも従事している多目的な船舶です。

概要

マリオン・デュフレーヌは、北半球に比べて強風や多雨が特徴的な南半球高緯度海域での活動を考慮し、耐荒天性能が重視された設計になっています。砕氷能力は持っていませんが、あらゆる悪天候の中でも安定して航行することができます。乗員の他に最大で110名の科学者や観測基地の交代要員、さらにはわずかの観光客を乗船させるための十分なスペースも確保されています。また、この船はCMA CGMが所有しており、Ateliers et Chantiers du Havre社によって建造されました。

科学調査の役割

この調査船は年間の約三分の二を海洋科学研究に捧げています。マルチビームソナーを搭載しており、航行しながら海底の詳細な地形図を作成することができます。また、コア採取装置であるCalypsoを使って、海底の土壌を最大60メートルの深さまで掘り下げ、サンプルを取ることが可能です。船内には650平方メートルの広さを持つ研究室があり、底質サンプルを長尺に扱うことができます。さらに、59の船室を有しており、多くの科学者が同時に作業できる環境が整っています。

この船は1995年に建造されて以来、長期的な海洋環境の変化を監視する国際共同観測プログラム「IMAGES（International Marine Global Change Study）」の中心的な設備として活躍しています。その他にも国際共同研究や外部の研究機関によるチャーター利用が行われており、2010年6月には東京大学による日本海のメタンハイドレート調査にも利用されるなど、世界的な科学研究に貢献しています。

補給活動

マリオン・デュフレーヌは、年間の約三分の一をフランス領南方・南極地域への補給活動に充てています。南インド洋に点在する島々や基地の活動は、この船が年に数回訪れることで支えられています。主にレユニオンを出発点に、クローゼー諸島、ケルゲレン諸島、アムステルダム島、サンポール島などへの物資を輸送します。

この船の輸送能力は2500トンで、20フィートコンテナは最大で110個まで積載できます。港の機能を持たない島々での荷揚げに関しては、船首に25トンの大型クレーンを2基装備しており、これにより効率的な荷役が可能です。また、後甲板にはヘリパッドと格納庫を設けており、中型ヘリコプターを1機運用できます。このヘリコプターは人員の移動や軽量の貨物輸送に利用されます。

マリオン・デュフレーヌは、単なる海洋調査の船舶だけでなく、南極地域における重要なロジスティクスの役割を持った希少な存在です。科学と補給の両面において、国内外の研究に大きな影響を与え続けています。

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