マリー・ピエルス

マリー・ピエルス（Mary Pierce, 1975年1月15日 - ）は、フランスの元女子プロテニス選手です。4大大会シングルスで2度の優勝を果たし、世界ランキング最高3位を記録しました。WTAツアーではシングルス18勝、ダブルス10勝を挙げています。右利きで、両手打ちのバックハンド・ストロークを特徴としていました。

カナダのモントリオールで生まれましたが、13歳の時にフランス国籍を取得。10歳でテニスを始めましたが、父親の厳しい指導のもと、急速に才能を開花させました。1989年に14歳でプロに転向。

1994年の全仏オープンでは、準決勝でシュテフィ・グラフを破るなどして決勝に進出。翌1995年の全豪オープン決勝では、アランチャ・サンチェス・ビカリオを破り、20歳でグランドスラム初優勝を飾りました。

モデルとしても活躍できるほどの美貌と恵まれた体格から、テニス界のアイドルとして注目を集めましたが、その後は故障によるスランプに苦しみました。

1997年の全豪オープンでは、決勝でマルチナ・ヒンギスに敗れ準優勝。同年のフェドカップでは、フランス代表を優勝に導きました。

2000年の全仏オープンでは、準決勝で当時世界ランク1位のヒンギスを破り、決勝ではコンチタ・マルティネスを破って優勝。フランス人女子選手として33年ぶりの全仏制覇という快挙を達成しました。この大会では、ヒンギスとのダブルスでも優勝し、単複2冠を達成しています。

しかし、この全仏優勝後、再び故障に悩まされ、長期の戦線離脱を余儀なくされました。2005年の全仏オープンでは、5年ぶりに決勝に進出するも、ジュスティーヌ・エナン＝アーデンに敗れて準優勝。同年の全米オープンでも決勝に進出しましたが、キム・クライシュテルスに敗れました。年末のWTAツアー選手権でも決勝に進みましたが、アメリ・モレスモに敗れています。

ウィンブルドンでは、1996年と2005年にベスト8に進出。1996年の準々決勝では、伊達公子に逆転負けを喫しました。2005年には、マヘシュ・ブパシとの混合ダブルスで優勝しています。

2006年10月のオーストリア・リンツ大会2回戦が最後の公式戦出場となり、その後は怪我の影響もあり、現役を引退しました。2007年の全仏オープンでは、女子シングルス決勝の表彰式にプレゼンターとして登場し、ジュスティーヌ・エナンに優勝カップを授与しました。2008年の北京オリンピックではフランス代表に選ばれましたが、怪我のため欠場しました。

2019年には、テニス界への貢献が認められ、国際テニス殿堂入りを果たしました。

主な戦績

全豪オープン 女子シングルス優勝：1995年
全仏オープン 女子シングルス優勝：2000年
* ウィンブルドン 混合ダブルス優勝：2005年

マリー・ピエルスは、その美貌と才能で多くのファンを魅了し、テニス界に大きな足跡を残しました。

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