マルオジリス

マルオジリス (Xerospermophilus tereticaudus)

マルオジリスは、アメリカ合衆国南西部およびメキシコ北部の砂漠地帯に生息するジリスの一種です。彼らは主にカリフォルニア州南東部、ネバダ州南部、アリゾナ州西部、さらにはメキシコのバハ・カリフォルニア州北東部やソノラ州に見られます。メキシコでは「Ardillón cola redonda」と呼ばれています。

体の特徴

マルオジリスの体長は204～278ミリメートル、尾は60～112ミリメートルの長さです。体重は約110～170グラムあります。特徴的なのは、尾が円筒形状で先端が黒く、全体的に他のジリスに比べて細いことです。また、被毛は模様がなく均一な砂色をしており、腹部は白色から淡黄色をしています。モハーベジリスと見分けられるのは、体が小さいことと頬の白色です。

生息地と行動

マルオジリスは、主にメスキートやクレオソートブッシュが広がる平坦な砂漠で生活します。彼らは午前中と午後遅くに活動し、気温が45度に達しても問題なく行動します。冬眠はしませんが、メスは9月から3月、オスは5月から1月にかけて地下の巣穴で過ごし、鈍麻状態になることがあります。

妊娠期間は約28日で、１度の出産で平均して5.4頭を産みます。生まれたばかりの体重は約3.9グラムで、性成熟は生後325日で達成されます。野生下での寿命はあまり知られていませんが、飼育下では約8.9年の記録があります。彼らの天敵には、猛禽類、ヘビ、イタチなどがいます。

社会的行動

マルオジリスは非常に社会的な動物で、警戒声を高く発して仲間に危険を知らせます。彼らは群れで生活しますが、自分の巣穴を共有することはなく、他のジリスが近づくと追い払います。繁殖期の1月から3月の間はオスが支配的になり、続く子育て期間（3月から4月）にはメスが主導権を握ります。

食性と栄養

マルオジリスは雑食性であり、春には食物の80パーセントを植物（特に葉や花）から摂取します。また、種子や果実が15パーセント、昆虫（アリ、シロアリ、バッタなど）は5パーセントを占めます。夏の間はほぼ全ての食物を植物に頼り、冬は種子が中心になります。砂漠では水分が不足しているため、水分含有量が高い食物を好んで摂取します。彼らの食物の平均水分量は80パーセントです。

種の分類

マルオジリスには、次の4つの亜種が確認されています:

• - X. t. apricus
• - X. t. chlorus （カリフォルニア州では「特別懸念」とされている）
• - X. t. neglectus
• - X. t. tereticaudus

このように、マルオジリスはそのユニークな生態と行動パターンによって、砂漠環境に適応した興味深い動物といえます。

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