マルスダレガイ科

マルスダレガイ科 (Veneridae)

マルスダレガイ科は、二枚貝綱異歯亜綱に属する大きな科であり、約500種から800種もの多様な種を含んでいます。これらの貝は、世界中の海に広く分布し、食用としても重要な種を多く含んでいるのが特徴です。

特徴

マルスダレガイ科の貝は、比較的小型で、最小で4mm、最大でも10cm程度のものがほとんどです。多くは泥や砂の中に潜って生活しており、その生息環境に適応した様々な形態や色彩を持っています。

食用となる種も多く、日本ではアサリやハマグリなどがよく知られています。英語では、これらの食用種は一般的に「クラム (clam)」と呼ばれ、アメリカではホンビノスガイ（ハードクラム）が広く消費されています。また、イタリア語では「ヴォンゴラ (vongola)」として親しまれています。

分類

マルスダレガイ科は、マルスダレガイ上科 (Veneroidea) の模式科であり、かつてはマルスダレガイ上科に5科前後が属していました。しかし、その後の研究により、イワホリガイ科 (Petricolidae) とノミハマグリ科 (Turtoniidae) が亜科としてマルスダレガイ科に含められるようになりました。現在では、以下の亜科が分類されています。

ハナガイ亜科 (Chioninae)
シラオガイ亜科 (Circinae)
フスマガイ亜科 (Clementiinae)
オキシジミ亜科 (Cyclininae)
カガミガイ亜科 (Dosiniinae)
マメツブガイ亜科 (Gemminae)
ハマグリ亜科 (Meretricinae)
イワホリガイ亜科 (Petricolinae)
ユウカゲハマグリ亜科 (Pitarinae)
コンゴウハマグリ亜科 (Samarangiinae)
ワスレガイ亜科 (Sunettinae)
アサリ亜科 (Tapetinae)
ノミハマグリ亜科 (Turtoniinae)
マルスダレガイ亜科 (Venerinae)

Keen (1969) による12亜科分類が標準的ですが、イワホリガイ亜科とノミハマグリ亜科を加えた14亜科で分類されることもあります。

多様性

マルスダレガイ科は非常に多様なグループであり、それぞれ異なる特徴を持つ多くの属が含まれています。属の分類には諸説あり、細かく分ける説と大きく分ける説が存在します。また、ハナガイ亜科とマルスダレガイ亜科は特に近縁であると考えられており、分類の見直しが進められています。いくつかの亜科は単系統ではないという報告もあり、今後の研究によって分類が変更される可能性もあります。

主な種類

マルスダレガイ科には、以下のような種が含まれます。

アサリ (Tapes)
ハマグリ (Meretrix)
ホンビノスガイ (Mercenaria)
カガミガイ (Dosinia)
シラオガイ (Circe)
オキシジミ (Cyclina)
ワスレガイ (Sunetta)
イワホリガイ (Petricola)

これらの貝は、それぞれ異なる生態や食味を持っており、人々の生活に深く関わっています。

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