マルタン・マルジェラ

メゾン・マルタン・マルジェラの概要

メゾン・マルタン・マルジェラ（Maison Martin Margiela）は、1957年生まれのベルギー出身のデザイナー、マルタン・マルジェラによって1988年に設立されたフランス・パリ発のファッションブランドです。このブランドは、婦人・紳士向けの既製服、アクセサリー、香水など多岐にわたる商品を展開し、独自のスタイルでファッション業界にその名を轟かせています。

創設と特徴

マルタン・マルジェラは、ブランドの創立者であり、初期からのデザインを手掛けました。彼は自ら公の場に姿を見せず、ミステリアスな存在として知られています。特に、インタビューはファックスで行うなど、独自のスタイルを貫いてきました。彼は2008年にブランドからの引退を表明し、その後はブランドと距離を置いています。2015年には、伝説的なデザイナー、ジョン・ガリアーノがクリエイティブディレクターとして加わり、ブランド名も“メゾン・マルジェラ”（Maison Margiela）へと変更されました。

来歴と展開

デザイナーとしてのキャリアは、1977年にアントワープ王立芸術学院に入学したことから始まります。ここでの仲間たちは後に“アントワープの6人”と称される著名なデザイナーたちです。1984年にはジャン＝ポール・ゴルチエのアトリエで修行し、1988年には「メゾン・マルタン・マルジェラ」を設立、パリコレクションでデビューしました。

1997年にはセカンドライン「MM6」を発表。その後、東京に初の店舗を出店したのを皮切りに、パリやブリュッセルにも進出。2000年代初頭にはディーゼルグループの傘下となり、国際的な店舗展開が加速しました。ファッションだけでなく、インテリアデザインにも進出し、2011年にはパリに新しいホテルを開業しました。

コレクションラインとデザイン思考

マルジェラのコレクションは、通称「カレンダータグ」で知られ、各コレクションの特徴を示す番号が付けられています。このシステムは1999年から採用され、形状や目的に応じた幅広いスタイルが展開されています。デザインの方向性は「反モード」を掲げ、特に軍服のリメイクや中古ジーンズを用いたスタイルは「ポペリズム」と呼ばれ、従来のファッションの価値観に挑戦するものとされています。

特にユニークな点は、ファッションショーにおいて、モデルの顔を隠したり、服を印刷した看板を使用するなど、従来の枠を超えた実験的な要素を取り入れたことです。こうしたアプローチは、ファッション界での彼の存在感を際立たせました。

日本での展開

メゾン・マルタン・マルジェラは早くから日本市場に進出し、東京・恵比寿には初の旗艦店を開店しました。他にも広島や大分、名古屋といった地域でも店舗を展開し、日本国内でも高い人気を誇っています。

2021年にはガリアーノによって新たなラインが創出され、ジェンダーレスでタイムレスなコレクションとして進化を遂げました。これにより、マルジェラの持つデザイン哲学はさらに深化し、より多くのファンを魅了しています。

まとめ

メゾン・マルタン・マルジェラは、常に新しい視点とアプローチを持ち込むことで、ファッション界において独自の地位を確立しています。デザイナーの影響を受けた他のブランドやデザイナーも多数存在し、その影響力は今もなお拡大しています。

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