マルチェロ・リッピ

マルチェロ・ロメオ・リッピ

基本情報
マルチェロ・リッピ（Marcello Romeo Lippi）は1948年4月12日生まれで、イタリア・トスカーナ州ルッカ県ヴィアレッジョ出身の元サッカー選手及び指導者です。現役時代は主にディフェンダーとして活躍しました。

選手としての経歴

リッピは主に中盤やリベロとしてサンプドリアでプレーし、U-23代表としての経験があるものの、フル代表には選出されませんでした。

指導者としてのキャリア

1982年に現役を引退した後、指導者としての道を歩み始めます。1993-94シーズンにはナポリを指揮し、エースのバッジョが怪我で離脱したにも関わらずチームを6位に導き、これがユヴェントス監督としてのオファーにつながりました。

ユヴェントス時代

1994年にユヴェントスの監督に就任したリッピは、前任者が低迷していた同チームを立て直し、指導初年度に9シーズンぶりのセリエA制覇を達成。攻撃的な戦術を採用し、ジャンルカ・ヴィアッリやアレッサンドロ・デル・ピエロといった選手を起用しました。
さらに、1996年にはUEFAチャンピオンズリーグを制覇し、その後も3年連続で同大会の決勝に進出するなど、持ち前の指導力を証明しました。

インテルでの挑戦

1999年にはインテルの監督に就任しましたが、一時的な成功もあったものの、最終的には思うような成績を残せず、4位でシーズンを終えました。その後、まもなく解任されました。

再びユヴェントスへ

2001年に再びユヴェントスの監督に就任し、セリエAで2度の連覇を成し遂げます。また、2004年のUEFAチャンピオンズリーグ決勝にも進出しましたが、ACミランに敗れます。この年を最後に指揮を退くことになります。

イタリア代表監督

EURO2004終了後、リッピはイタリア代表監督に就任し、「カテナチオからの脱却」を掲げて攻撃的なスタイルへとシフトさせました。2006年のワールドカップではイタリア代表を24年ぶりの優勝に導き、両方の大会を制した初の監督として名を残しました。

第2次イタリア代表

2008年には再度イタリア代表監督に就任。2010年の南アフリカワールドカップでは連覇を目指すも、結果は残せず、徐々に目指すべきスタイルへの転換が求められました。

広州恒大

2012年からは中国リーグの広州恒大を指揮し、AFCチャンピオンズリーグを制覇、クラブ初のアジア王者に導きました。2014年には4連覇も果たし、準決勝までの道のりを含め、アジアサッカー界での名声を獲得しました。

中国代表

2016年には中国代表の監督に就任し、わずかな期間で一定の改善を見せました。 再度、指揮を執る機会もありましたが、最終的には失敗を受けての辞任もありました。

人物とエピソード

リッピはアリゴ・サッキやファビオ・カペッロに多大な影響を受けており、最初はサッキの攻撃的な戦術を模倣しようとしましたが、次第に独自のスタイルを構築しました。葉タバコを嗜むことでも知られ、2006年のW杯では表彰式に葉巻を持ち込んでいたことが話題となりました。

記録と功績

リッピはユヴェントスと広州恒大での成功のほか、数々の監督賞を受賞しており、その実績が彼の名監督としての評価を高めています。特にワールドカップ制覇の際はイタリアの英雄として称えられました。

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