マルティン・トゥルノフスキー

マルティン・トゥルノフスキー（Martin Turnovský, 1928年9月29日 - 2021年5月19日）は、チェコを代表する指揮者の一人です。プラハで生まれ、その才能を開花させました。

若き日の研鑽と国際的な評価

プラハ音楽院で著名な指揮者カレル・アンチェルに師事し、指揮の基礎を築きました。1958年には、フランスのブザンソン国際指揮者コンクールで見事優勝を果たし、その名を知られるようになります。1967年には、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団との共演で、ボフスラフ・マルティヌーの交響曲第4番を録音し、レコードグランプリを受賞。国際的な評価を確立しました。

激動の時代と亡命

1966年からは、ドイツのドレスデン国立歌劇場および同管弦楽団の音楽総監督を務めました。しかし、1968年8月に発生したチェコ事件（プラハの春）により、職を辞さざるを得なくなり、チェコを離れてオーストリアへ亡命。政治的な混乱が、彼の音楽活動に大きな影響を与えました。

世界各地での客演と帰国

その後は、世界各地のオーケストラに客演し、指揮者としてのキャリアを継続しました。1992年、民主化されたチェコへ帰国。故郷の音楽界への貢献を果たしました。

家族と群馬交響楽団との関わり

息子であるシュテファン・トゥルノフスキーは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のファゴット奏者として活躍しています。1998年4月からは、群馬交響楽団の首席客演指揮者に就任し、日本の音楽ファンにも親しまれました。

レパートリーと音楽性

ドヴォルザークやマルティヌーといった自国の作曲家の作品を得意とする一方で、ブラームスやブルックナーといったドイツ音楽においても高い評価を得ています。その音楽は、明快かつ実直でありながら、力強くスケールの大きな表現が特徴です。隠れた名指揮者として、多くの音楽ファンから支持されていました。1978年に初来日。

晩年と死

2021年5月19日、オーストリア・ウィーンで逝去。92歳でした。彼の音楽は、これからも多くの人々に感動を与え続けるでしょう。

マルティン・トゥルノフスキー（群馬交響楽団公式サイト）
コジマ・コンサートマネジメント

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