マルファス

マルファスは、悪魔学において重要な位置を占める悪魔の一柱です。『ゴエティア』によれば、彼は地獄の40の軍団を率いる序列39番の強大な大総裁として記述されています。

その姿は通常、カラスとして現れるとされています。しかし、召喚者の要求に応じて人間の姿を採ることも可能です。ただし、人間の姿になった際には、しゃがれ声で話すという特徴があります。

マルファスの特筆すべき能力は、建築術における優れた才能です。彼は家屋や塔などを建造する力を持つとされ、特に城塞都市の建設においてその能力を発揮すると言われています。また、敵対者の願望や思惑、そしてそれらがどの程度実行に移されているかについての情報をもたらす力も持っています。これらの情報は、戦略的な意思決定において非常に価値のあるものとなるでしょう。

さらに、マルファスは優れた使い魔を与えてくれるとされています。これらの使い魔は、召喚者の様々な目的を達成するために役立つでしょう。

ただし、マルファスには油断ならない性質があることにも注意が必要です。彼は生贄を捧げられることを喜びますが、それによってかえって不誠実になる可能性があると言われています。そのため、彼を召喚する際には、常に警戒心を持つことが重要です。

マルファスは、ハルファスという別の悪魔と名前が似ており、共通の権能も持っているため、混同されることがあります。コラン・ド・プランシーは、その著書『地獄の辞典』の中で、ハルファスとマルファスは同一の存在であるという見解を示しています。このように、マルファスは悪魔学の研究者にとっても興味深い存在であり続けています。

参考文献：
* S.L. MacGregor Mathers and Aleister Crowley, The Lesser Key of Solomon(1904),p34-35 The Internet Sacred Text Archive 内の文書（英文）

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