マルマン (文具)

マルマン株式会社：日本の文具業界を牽引する老舗メーカー

マルマン株式会社は、日本の文具メーカーとして100年以上の歴史を誇る老舗企業です。東京都中野区に本社を置く同社は、創業当初からスケッチブックの製造を手がけ、現在ではクリアファイルやレポートパッドなどの事務用品、さらには様々な画材を製造・販売する、業界を代表する企業へと成長を遂げました。

創業から現在まで：日本の文具史と共に歩む

1920年、創業者井口興一氏が学童向けのスケッチブック製作を開始したことがマルマン株式会社の始まりです。関東地方の中学校への配布を皮切りに、その品質と実用性が認められ、事業は順調に拡大していきます。1947年には株式会社丸萬商店を設立、1949年には画材店への卸売を開始するなど、着実に事業基盤を構築していきました。

1954年にはスケッチブックの製造を再開し、本格的に文具業界へ参入。1958年にはドイツから導入したスパイラル製本機を用いて、青山学院大学の学生のデザインを採用した「図案シリーズスケッチブック」を量産発売。この製品は、同社の代表作として現在も愛され続けています。

その後も、スパイラルノートやプラスチック製バインダーなど、時代のニーズを捉えた画期的な製品を次々と開発・発売し、大きな成功を収めてきました。1974年には宮崎県に製造部門を設立、1980年には米ウィルソンジョーンズ社と提携するなど、積極的な事業展開により、国内のみならず海外市場への進出も果たしています。

1990年代以降も、高級感のある「コベントリーガーデンファイルノート」や、業界に先駆けたスケルトンカラーのクリアファイルなど、革新的な製品を市場に投入し続け、高い評価を得ています。近年では、環境問題への配慮から再生紙を使用した製品の開発にも力を入れています。

数々の賞を受賞している点もマルマン株式会社の特徴です。「図案スケッチブック」はグッドデザインロングライフデザイン賞を受賞し、そのデザイン性と機能性の高さは高く評価されています。また、「セプトクルール」シリーズのルーズリーフパッド&ホルダーは、日本文具大賞機能部門グランプリを受賞するなど、同社の製品開発力と品質の高さが証明されています。

2020年には創業100周年を迎え、「スケッチブックの日」を制定するなど、日本の文具文化の発展に貢献しています。

代表製品：「図案シリーズスケッチブック」

マルマン株式会社を代表する製品といえば、「図案シリーズスケッチブック」です。年間200万冊以上を販売する看板商品で、幼稚園や学校、さらにはプロの画家まで、幅広い層から愛用されています。

その人気の秘密は、絶妙な凸凹のある紙質にあります。鉛筆での濃淡がつけやすく、奥行きのある表現が可能です。また、少し黄色味がかった白の紙の色は、温かみのある表現に適しています。高い吸水性とインクのにじみにくさも特徴で、テレビ業界などでも広く使用されています。

その他の製品

「図案シリーズスケッチブック」以外にも、マルマン株式会社は、ファイル、ルーズリーフ、ノート、描画材など、多様な製品を展開しています。それぞれの製品に、同社の高い技術力とデザイン性が凝縮されており、ユーザーのニーズに応える幅広いラインナップが魅力です。

未来への展望

マルマン株式会社は、これからも革新的な製品開発と、高品質な製品の提供を通じて、日本の文具業界を牽引していく存在であり続けるでしょう。100年以上の歴史と伝統を活かしながら、時代の変化に対応し、新たな価値を創造していくことに期待がかかります。

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