マルヴォレント・クリエイション

マルヴォレント・クリエイション (Malevolent Creation)

マルヴォレント・クリエイションは、アメリカのニューヨーク州バッファローにて結成されたデスメタルバンドで、1990年代初頭のアメリカ・デスメタルシーンにおける重要な存在です。最初はニューヨークを拠点に活動していましたが、後にフロリダ州タンパに移り、さらなる成長を遂げました。彼らの音楽は、カンニバル・コープスやサフォケイションなどの同時代のバンドとも交わっており、デス、モービッド・エンジェル、オビチュアリーといったフロリダの重鎮と共に、デスメタルの新たな潮流を創出しました。

音楽スタイルとサウンド

彼らの楽曲には、独特のメロディを持つリフがあり、一聴してマルヴォレント・クリエイションの作品だとわかる個性を誇ります。初期の作品ではスラッシュメタルの影響が色濃かったものの、次第にブルータルデスメタルやデスラッシュ的要素が加わり、より激しさを増していきました。近年のアルバムでは攻撃的なスタイルへと進化しており、ファンからの期待も高まっています。

特に注目すべきは、彼らがフロリダのモリサウンドスタジオでのレコーディングによって生み出されるサウンドです。音楽プロデューサーのスコット・バーンズの手によって、彼らの音楽は多くのデスメタルバンドの模範となりました。このスタジオは、数多くのデスメタルバンドが訪れる場所となり、彼らにとって名声を得る重要な要素となりました。

メンバーの変遷とディスコグラフィ

マルヴォレント・クリエイションは、デスメタルバンドとして活動を続ける中で、初期から現在までメンバーが頻繁に変わることでも知られています。ほぼ各アルバムごとにメンバーが入れ替わる中でも、バンドのアイデンティティを保持し続け、独自の音楽スタイルを貫いています。

彼らのディスコグラフィは非常に豊富で、スタジオアルバムは次の通りです:

• - 1991年: The Ten Commandments
• - 1992年: Retribution
• - 1993年: Stillborn
• - 1995年: Eternal
• - 1997年: In Cold Blood
• - 1998年: The Fine Art of Murder
• - 2000年: Envenomed
• - 2002年: The Will to Kill
• - 2004年: Warkult
• - 2007年: Doomsday X
• - 2010年: Invidious Dominion
• - 2015年: Dead Man's Path
• - 2019年: The 13th Beast

また、ライブアルバムも以下のように発表しています:

• - 2004年: Conquering South America
• - 2008年: Live at the Whiskey
• - 2010年: Australian Onslaught

さらに、コンピレーションアルバムも多くリリースされており、その中にはオムニバスに収録された「Piece by Piece」（スレイヤーのカバー）も含まれています。彼らは常に音楽シーンにおいて影響力を持ち続けており、現在もその活動は止まることを知りません。デスメタルというジャンルの中で、マルヴォレント・クリエイションはその革新性と端正なサウンドで、往年の名バンドたちと肩を並べる存在であり続けています。

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