マル・サバ

マル・サバ修道院は、ユダヤ砂漠のケデロン渓谷に位置する、由緒あるギリシャ正教の修道院です。その起源は古く、439年または483年にエルサレムの聖サバスによって設立されました。

この修道院は、アレクサンドリア総主教区に属しており、長きにわたり信仰の中心地として重要な役割を果たしてきました。最盛期であった17世紀には、4000人もの修道士がこの地で生活を送っていましたが、現在では約20人の修道士が伝統を守りながら共同生活を送っています。

マル・サバ修道院は、世界で最も古くから人が住み続けている修道院の一つとして知られています。その歴史的価値は非常に高く、多くの巡礼者や研究者が訪れています。

この修道院の大きな特徴の一つは、厳格な伝統が守られていることです。その最たる例として、女性の立ち入りが厳しく制限されている点が挙げられます。女性は修道院の正面玄関にある女性の塔にのみ立ち入ることが許可されています。これは、修道院の神聖さを保つための伝統的な措置と考えられています。

また、マル・サバ修道院は、最後の教父と呼ばれるダマスコのイオアンが晩年を過ごした場所としても知られています。彼は735年にこの修道院に移り住み、749年に亡くなるまでの間、著作活動や信仰生活を送りました。彼の存在は、修道院の歴史に大きな影響を与えました。

マル・サバ修道院は、その長い歴史と伝統、そして美しい景観から、ユダヤ砂漠の中でも特別な場所として人々に愛されています。訪れる人々は、この地で静寂と信仰の深さを感じることができるでしょう。

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