マレーシア・インド人会議

マレーシア・インド人会議（MIC）について

マレーシア・インド人会議（Malaysia Indian Congress、略称MIC）は、マレーシアにおけるインド系住民の権益を代表する唯一の議会政党として、1946年に設立されました。今日に至るまで、MICは国民戦線（Barisan Nasional、BN）に加盟し、連立与党としての役割を果たしています。特に、マレー系の統一マレー国民組織（UMNO）やマレーシア華人協会（MCA）と連携しており、政治的な影響力を維持しています。

歴史的背景

第二次世界大戦中、インド系住民の中には、チャンドラ・ボースが指導する自由インド仮政府の活動に参加する者もいました。この流れを受けて、1946年、初代党首としてジョン・サイヴィが率いる形でインド国民会議をモデルにしたマレーシア・インド人会議が設立されました。ジョン・サイヴィはインド国民軍に属し、戦後にはイギリス当局によって拘束される経験も持っています。このような歴史的背景があり、現在もMICはボースを顕彰する行事を行っています。

組織構成と党員

MICは、主にインド系住民を党員として受け入れています。初期には、特に都市部に集中していた北インド系住民の影響が強く見られましたが、徐々に南インド系、特にタミル系住民からの支持を受けるようになりました。農業や労働条件の改善を求める声が、党の代表的な活動において重要な位置を占めているのです。これにより、MICは多様なインド系住民の需要を代表する役割を果たすようになっています。

政治的成果

2004年の総選挙では、MICは3.2%の得票率を記録し、下院に9議席を獲得しました。しかし、小選挙区制の影響もあり、UMNOなど他党の協力なしには議席を確保することが難しい状況が続いています。また、2008年の総選挙では、与党に対する批判が強まる中で大きく後退し、わずか3議席にとどまりました。党首であったサミー・ヴェルーも落選する結果となりました。

学術研究

マレーシア・インド人会議に関する研究も行われており、山田満による『多民族国家マレーシアの国民統合－インド人の周辺化問題』がその一例です。このような研究は、MICの役割やインド系住民の社会的地位に関する理解を深める手助けとなっています。

終わりに

マレーシア・インド人会議は、インド系コミュニティの利益を代表する重要な政治主体として、今後も地域社会における発展と平等を追求し続けるでしょう。

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