マンゴーの樹の下で〜ルソン島、戦火の約束〜

「マンゴーの樹の下で〜ルソン島、戦火の約束〜」は、2019年8月8日にNHK総合テレビで放送されたテレビドラマです。太平洋戦争末期のフィリピン・ルソン島を舞台に、戦火に巻き込まれた日本人女性たちの過酷な運命を、生存者の手記に基づいて描いています。ドラマは、令和初の終戦の日関連の特集ドラマとして放送され、大きな反響を呼びました。

物語の構成

物語は、現代と過去という二つの時間軸で展開します。現代パートでは、東京で小さな写真館を営む凛子（岸惠子）が、長年連れ添った綾の死をきっかけに、写真館の売却を決意します。そんな中、凛子の元に、戦時中に亡くなったはずの綾の弟からの手紙が届きます。この手紙をきっかけに、物語は過去へと遡り、昭和20年のルソン島での出来事が明らかになります。

過去パートでは、商社のタイピストとしてマニラに赴任した凛子（清原果耶）と、現地の商社で通訳として働く綾（山口まゆ）の二人の出会いから友情、そして戦火に巻き込まれていく姿が描かれます。二人は、大和撫子のような凛子と、フィリピンで育った綾という異なる背景を持ちながらも、互いに友情を深めていきます。しかし、戦況が悪化するにつれて、二人は過酷な現実に直面することになります。

登場人物

奥田凛子
平成元年：岸惠子演じる、東京で写真館を営む女性。
昭和19年-20年：清原果耶演じる、マニラに赴任した商社のタイピスト。
日下部綾
平成元年：渡辺美佐子演じる、凛子と共に写真館を営む日系二世の女性。病死する。
昭和19年-20年：山口まゆ演じる、マニラの商社で通訳として働く女性。凛子と友情を育む。
田宮蓮司：伊東四朗演じる、写真材料店勤務で凛子に想いを寄せる男性。
門井慎司：林遣都演じる、写真館の土地買収を迫る不動産会社の社員。
田宮美咲：安藤サクラ演じる、蓮司の娘。
宮野支店長：大東駿介演じる、凛子が勤務する商社の支店長。
その他：安藤玉恵、福田転球、六角慎司、エルケなど、実力派俳優が脇を固めます。

ドラマの見どころ

このドラマの最大の見どころは、過去と現代を交錯させながら、戦争という極限状態の中で生きる女性たちの姿を鮮烈に描いている点です。また、岸惠子と清原果耶という二世代の女優が、同じ人物を演じるというリレー形式の演出も注目を集めました。さらに、実在の手記を基にしているため、よりリアリティを持って戦争の悲惨さや、人間の強さ、そして友情の尊さを感じることができます。

制作スタッフ

作: 長田育恵
音楽: 清水靖晃
語り: 岸惠子
演出: 柴田岳志
制作統括: 佐野元彦（NHKエンタープライズ）、雫石瑞穂（テレパック）、髙橋練（NHK）
制作: NHKエンタープライズ
制作・著作: NHK、テレパック

関連番組

「マンゴーの樹の下で〜わたしはこうして地獄を生きた〜」（2019年8月4日 22:00 - 23:50、NHK BS1）

関連事項

フィリピンの戦い (1944-1945年)

外部リンク

特集ドラマ「マンゴーの樹の下で〜ルソン島、戦火の約束〜」 - NHK
特集ドラマ　マンゴーの樹の下で～ルソン島、戦火の約束～ - NHK放送史
* ＢＳ１スペシャル　マンゴーの樹の下で～こうして私は地獄を生きた～ - NHK放送史

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