渡辺美佐子

渡辺美佐子について

渡辺美佐子（わたなべ みさこ、1932年10月23日生まれ）は、日本の著名な女優であり、東京市麻布区（現・東京都港区西麻布）で生まれました。彼女は実践女子学園高等学校を卒業後、俳優座養成所の第3期生となり、1951年に劇団新人会に入団しました。同じく新人会に入団した仲間には、愛川欽也、杉田弘子、穂積隆信、安井昌二がいました。彼女の舞台デビューは、ブレヒト作の『家庭教師』でした。

その後、1953年には映画『ひめゆりの塔』で映画デビューを果たし、1956年には日活と契約。1958年には『果しなき欲望』に出演し、この役柄でブルーリボン賞の助演女優賞を受賞しました。この受賞は、彼女のキャリアにおける重要なステップとなりました。

1961年からはにんじんくらぶに参加し、1969年には新人会を退団後、演劇集団「兆」を中心に活動。1970年からの2年間、彼女はこの団体での活動を通じてさらなる経験を積みました。また、テレビドラマでも評価を受け、橋田壽賀子脚本の作品にたびたび起用されました。

渡辺美佐子は1982年7月に井上ひさし作の一人芝居『化粧』に出演。その上演が好評を博し、井上の要望に応える形で再演の際には新たな一幕が追加され、以後は『化粧 二幕』として全国的に公演が行われました。この作品はフランスやアメリカでも上演され、彼女の代表作となりました。通算648回の上演を経て、2010年に最後の公演を行い、長い舞台活動に幕を下ろしました。

また、戦時中に被災した子供の手記を朗読する公演「夏の会」のメンバーとしても知られています。活動は2019年の公演で終了しましたが、彼女の貢献は高く評価されています。

2022年には、「舞台女優」としての活動を『美しきものの伝説』の公演をもって一区切りとし、今後はその他の芸能活動は続ける意向を示しました。この公演では、日本初の新劇女優・松井須磨子を演じました。

私生活と受賞歴

ちなみに、プライベートでは1965年にTBSのプロデューサー・大山勝美と結婚し、一男をもうけています。彼女はこれまでのキャリアにおいて多くの賞を受賞しており、新劇演技賞や読売演劇大賞などの権威ある賞にも名を連ねています。また、紫綬褒章や旭日小綬章も授与され、その業績が広く認められています。

エピソード

1961年にはモスクワ国際映画祭に出席するため、俳優の下元勉らと共にソビエト連邦を訪れました。当時、海外渡航は制限されており、その訪問は特に価値のあるものでした。また、母校の創立者・下田歌子の故郷での観光PR活動もこなしており、地域に貢献していることも特徴的です。

まとめ

渡辺美佐子は日本の舞台、映画、テレビにおいて、長年にわたり多才な演技力を発揮し続けています。彼女の作品は、観客に楽しさを与えるだけでなく、深いメッセージも持ち合わせており、今後の活動にも期待が寄せられています。これからも彼女の新たな挑戦に目が離せません。

もう一度検索