マンテカーダ

マンテカーダは、スペインで親しまれている伝統的な焼き菓子で、マフィンに似た形状のスポンジケーキです。特にスペイン北西部のアストルガ、レオン県周辺が発祥の地として知られており、その製法は代々受け継がれてきました。アストルガのマンテカーダは、その地域を代表する銘菓として、多くの人々に愛されています。

マンテカーダは、パウンドケーキに近い風味を持ち、バターをふんだんに使用することで、独特のしっとりとした食感と豊かな風味が生まれます。一般的なマフィンとは異なり、底が正方形または長方形の「カヒージャス」と呼ばれる紙製の型に入れて焼かれるのが特徴です。焼きあがったマンテカーダを取り出すと、型紙の跡が十字の形に残ります。

スペイン国内では、アストルガ以外にも、バリャドリッド県サルドン・デ・ドゥエロやカンタブリア州マリアニョなどでマンテカーダが製造されています。しかし、2011年には、トゥデラにあった有名なマンテカーダ店が閉店しており、伝統の味が失われつつある現状もあります。

また、マンテカーダはスペインだけでなく、コロンビアやベネズエラなどの南米地域でも親しまれています。ただし、これらの地域では、大きなケーキとして焼き上げた後にカットして提供されることが多いです。さらに、メキシコや南米各国では、小分けにされたマンテカーダがパック詰めされて販売されており、手軽に楽しめるお菓子として親しまれています。

アストルガのマンテカーダは特に有名で、「Mantecadas de Astorga」という名称で知られています。このマンテカーダは、鶏卵、小麦粉、バター、砂糖といったシンプルな材料から作られます。特に、バターはマンテカーダの風味と食感を特徴づける上で欠かせない材料であり、ビスコッチョやマフィンとの大きな違いを生み出しています。アストルガのマンテカーダは、その地域特有の製法と品質が評価され、欧州連合の地理的表示制度によって保護されています。

マンテカーダは、地域によって多様なバリエーションがありますが、共通して言えるのは、その風味と食感が豊かな焼き菓子であるということです。スペインの伝統的なお菓子として、また南米で親しまれるお菓子として、マンテカーダは今後も多くの人々に愛され続けるでしょう。

関連項目

マドレーヌ

外部リンク

Other type of Mantecadas (not of Astorga) recipe
* コロンビアスタイルのレシピのリンク'>Mantecada con amor. Colombia style

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