マントファスマ

マントファスマとは

マントファスマ、またはカカトアルキは、昆虫の一群であるマントファスマ目（Mantophasmatodea）に属しています。この目は、2002年に新しく分類されたもので、昆虫綱の中で31番目の目として知られています。マントファスマは、肉食性であり、特にアフリカの熱帯地域に分布しています。

その発見の歴史

この昆虫に関する最初の発見は2001年に遡ります。当時、ドイツの昆虫学者であるオリバー・ゾンプロ（Oliver Zompro）が琥珀の中から見つけた化石を調査し、新しい種の存在を確認しました。この発見は、マントファスマ類の昆虫がかつて存在した証拠となります。その後、20世紀初頭に採集された同様の昆虫が、既にフンボルト博物館に未同定の標本として保存されていたことが判明しました。

これらの昆虫は、従来のどの種とも異なる特徴を有していたため、新たにマントファスマ目として記載されたのです。

主な特徴

マントファスマのサイズは、体長平均約2センチメートルで、見た目はカマキリやナナフシに似ています。彼らの翅は退化しており、特徴的な歩き方をします。特に、跗節の先端部を上げて踵で歩くため、カカトアルキという和名が付けられています。また、彼らは不完全変態を行う昆虫です。

マントファスマは、求愛や他の個体への威嚇のために、腹部で木の幹を小刻みに叩く行動を見せます。この独特な行動は、彼らのコミュニケーション手段として重要です。

知られている種

現在までに、マントファスマ目には3科8属の昆虫が特定されています。以下に、各科の代表的な属を示します。

• - マントファスマ科 (Mantophasmatidae)

- Mantophasma属
- Sclerophasma属

• - タンザニオファスマ科 (Tanzaniophasmatidae)

- Tanzaniophasma属

• - アウストロファスマ科 (Austrophasmatidae)

- Austrophasma属
- Lobophasma属
- Helilobophasma属
- Karoophasma属
- Namaquaphasma属

現生種の例

現存するマントファスマの種は主に熱帯アフリカ、特にタンザニアやナミビアに生息しています。

• - Mantophasma subsolana

- タンザニアに生息し、体表には小さな赤い斑点が見られます。

• - Mantophasma zephyra

- ナミビアに生息するもので、赤い斑点はありません。

• - Praedatophasma maraisi

- 南ナミビアに生息し、Mantophasma属よりも大きな眼と丸い頭部が特徴です。

化石種としての存在

マントファスマは、過去の化石記録も存在します。特に、始新世のバルチック・アンバー（約4,500万年前）から発見されたRhaptophasma kerneggeriという種があります。この化石は、彼らの進化の歴史を探る上での重要な手がかりとなっています。

このように、マントファスマは独特な身体特徴や行動を持ち、彼らの生態系における役割は興味深い研究対象となっています。

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