マーカス・ジョンソン

マーカス・ジョンソン：バックスを彩った多才なオールスター

マーカス・ケビン・ジョンソン（Marques Kevin Johnson, 1956年2月8日 - ）は、アメリカ合衆国出身の元プロバスケットボール選手。201cmの身長と98kgの体重を生かし、スモールフォワードとしてNBAの舞台で活躍しました。特にミルウォーキー・バックスでのプレイが長く、5度のオールスター選出を誇るスター選手でした。

生い立ちとUCLAでの活躍

ジョンソンはルイジアナ州ナッキトッシュで生まれ、ロサンゼルスで育ちました。高校時代からバスケットボール選手として頭角を現し、地元の名門UCLAに進学。ジョン・ウッデン監督のラストシーズンとなった1975年には、主力としてNCAAトーナメント優勝に大きく貢献しました。4年次には平均21.4得点、11.1リバウンドという素晴らしい成績を収め、オールアメリカ1stチームに選出。ネイスミス賞やウッデン賞など、数々の個人タイトルを獲得しました。

NBAでのキャリア

1977年のNBAドラフトで、ジョンソンは全体3位という高評価でミルウォーキー・バックスに入団。1年目から平均ダブルダブルを達成し、オールルーキー1stチームに選ばれるなど、その才能を immediately に発揮しました。2年目の1978-79シーズンには、リーグ3位となる平均25.6得点を記録し、オールNBA1stチームにも選出されました。また、この年から3年連続でオールスターに選ばれるなど、リーグを代表する選手としての地位を確立しました。

1980年代前半、ドン・ネルソン監督の下、ジョンソン、シドニー・モンクリーフらを擁したバックスは、イースタン・カンファレンスの強豪としてその名を轟かせました。1980-81シーズンには60勝を記録し、1983年、1984年と2年連続でカンファレンス決勝に進出しましたが、惜しくもNBAファイナル進出はなりませんでした。1984年にロサンゼルス・クリッパーズへ移籍。

クリッパーズでは当初、成績が低迷しましたが、1985-86シーズンには平均20.3得点を記録し、3年ぶりにオールスターに選出。カムバック賞も受賞しました。しかし、翌1986-87シーズン途中に首を負傷し、残りの試合を全休。事実上、引退状態となりました。1989年にゴールデンステート・ウォリアーズで短期間のみ現役復帰しましたが、10試合に出場した後、正式に引退しました。

NBAでの通算成績は、691試合に出場、13,892得点、4,817リバウンド（平均20.1得点、7.0リバウンド）でした。バックスでの通算10,980得点はチーム史上7位、3,923リバウンドは同4位の記録となっています。

引退後

2013年、ジョンソンはカレッジバスケットボール殿堂入りを果たしました。2019年には、バックス在籍時の背番号『8』が永久欠番に指定され、その功績が称えられました。また、カリフォルニア州とウィスコンシン州のスポーツ殿堂にも名を連ねています。

引退後はメディア関係の仕事に積極的に取り組み、映画出演や脚本執筆など、多才な才能を発揮しています。バスケットボール関連では、クリッパーズのラジオ局で司会を務めたほか、解説者としても活躍しています。

人物像

ジョンソンは、自身が「ポイントフォワード」という言葉を作ったと語っています。ドン・ネルソン監督が考案したこのプレイスタイルは、ジョンソンの代名詞となりました。

5人の息子と2人の娘がおり、息子の1人クリスはUCLAでバスケットボールをプレーし、1995年にNCAAトーナメントで優勝。親子で同じ大学でNCAAトーナメントを制覇したのは、史上初の快挙となりました。

マーカス・ジョンソンは、コート内外で輝きを放った、真のバスケットボール界のレジェンドと言えるでしょう。

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