マーガンディヤ経

マーガンディヤ経

『マーガンディヤ経』は、パーリ仏典経蔵中部に収められている第75経であり、釈迦が外道の修行者マーガンディヤに対して仏法を説く内容です。この経典は、仏教の教えを探究する上で重要な位置を占めています。類似の経典としては、漢訳された『中阿含経』にその姿を見いだすことができます。

経典の構成

この経典は、釈迦と外道の修行者マーガンディヤという二人の主要な登場人物によって構成されています。舞台は、釈迦がクル国のカンマーサダンマに滞在している時期に設定されています。マーガンディヤは、釈迦の教える「感覚の遮断」を批判し、これを感覚の破壊であると誹謗します。

教えの展開

マーガンディヤの批判に対し、釈迦は自身の修行体験を語ります。彼は、苦楽を極めてきた歴史を披露しつつ、苦と楽、欲望を超えることが真の安らぎに繋がると説きます。この過程で、釈迦はマーガンディヤに対して、ただ感覚を遮断するのではなく、それを通じて内面的な空を見出すことが重要であると指摘します。釈迦の言葉に接したマーガンディヤは、深い法悦を体験し、三宝への帰依を誓うようになります。

出家の勧め

釈迦はマーガンディヤに、4ヶ月後の出家を勧めます。そして、彼は出家した後、阿羅漢に到達します。これは、釈迦の教えに触れたことで彼の人生がどのように変わったのかを示す重要なエピソードです。

日本語訳

この経典は日本語に訳されており、主に『南伝大蔵経・経蔵・中部経典2』や『パーリ仏典 中部（マッジマニカーヤ）中分五十経篇I』、さらに『原始仏典 中部経典2』などに収められています。これらの訳本は、釈迦の教えを日本の読者に向けて分かりやすく伝えようとしています。

結論

『マーガンディヤ経』は、単なる対話を超え、釈迦の教える真の安らぎの探求というテーマを深く掘り下げています。外道の修行者との対話を通じて、釈迦の教えがどのように人々を導くのかを示す興味深い経典です。この経典を通じて、私たちは感覚や欲望を越えた安らぎへの道を探ることができるのです。

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