マークII手榴弾

マークII手榴弾

マークII手榴弾（Mk II Grenade）は、アメリカ合衆国で開発された手榴弾であり、主に第二次世界大戦以降にアメリカ軍で広く使用されました。この手榴弾は、フランス製のF1手榴弾を参考にして改良されたマークI手榴弾をベースにしており、その設計は歴史的に重要な役割を果たしています。

歴史的背景

マークIIは、第一次世界大戦中に使用されていたマークI手榴弾の改良型であり、その形状から「パイナップル」と呼ばれることもありました。この愛称の由来は、本体が黄色だったことに起因していますが、戦争中には塗装がオリーブドラブ（OD）に変更され、外見が変化しました。それでも、当時の兵士たちは旧塗装の名残を見て「パイナップル」と呼んでいました。

アメリカ軍は第一次大戦の直後にこの手榴弾を採用し、第二次世界大戦を通じて多くの戦闘に投入されました。1950年代にはM26手榴弾が開発され、マークIIはその地位を譲ることになりましたが、ベトナム戦争の時期まで現役で使用され続けました。また、他の西側諸国の軍隊でも採用されており、日本の陸上自衛隊ではM26手榴弾の採用まで「MK2破片手榴弾」として使用していました。

特徴

マークII手榴弾の本体は鋳造製で、表面には縦横に彫られた溝があり、これにより四角い突起が形成されています。このデザインは、手が泥などで滑りがちな状況下でも確実に握りやすく、正確な投擲を実現するために施されています。また、この溝と突起の形状は、爆発時に発生する破片の大きさを調節する役割も持っていました。

マークI手榴弾では細かすぎた破片の問題を受けて、マークIIでは突起の列が1つ減らされています。ただし、後の研究によって、表面の刻み目ではなく内部の形状変更が必要であることが判明し、その結果、後継のM26手榴弾では内部加工が施され、外部は滑らかな形状となりました。

この手榴弾にはTNTが標準的な火薬として使用されていましたが、供給不足のためにニトロスターチが広く用いられるようになりました。爆発の有効範囲は約5〜10ヤード（4.5〜9.1メートル）で、過去の記録によると50ヤード（約45メートル）先の目標に対しても致命傷を与える能力があったとされています。投擲距離については、一般的に30〜40ヤード（27〜37メートル）程度とされています。

文化的影響

マークII手榴弾は、戦争の場面において多くの映画やゲームに登場し、その存在は現代の軍事文化に根付いています。「パイナップル」という愛称は、今でも多くの人々に知られ、手榴弾の特徴的なデザインは視覚的にも認識されています。

関連項目

• - 手榴弾
• - マークI手榴弾
• - M26手榴弾
• - パイナップル

このように、マークII手榴弾はそのデザインや機能的な特性から、歴史的にも技術的にも興味深い手榴弾となっています。アメリカ軍はこの手榴弾を長い間使用し、その威力と信頼性を証明してきました。

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