マーサ・カートメル

マーサ・ジュリア・カートメル：東洋英和女学院の創立者

マーサ・ジュリア・カートメル（Martha Julia Cartmell, 1845年12月14日 - 1945年3月20日）は、カナダ・メソジスト教会婦人伝道会社の最初の日本派遣宣教師であり、東洋英和女学院の創立者として、日本の女子教育に大きく貢献しました。

生涯

1845年12月14日、カナダのオンタリオ州ハミルトンで生まれたカートメルは、13歳の時に両親を亡くし、伯母であるミセス・サザラートに引き取られました。ハミルトンの師範学校で学んだ後、ハミルトン女学校で教師および校長を務めました。

1878年、カナダ・メソジスト教会の宣教師であるジョージ・コクランとデイヴィッドソン・マクドナルドが、本国に婦人宣教師の派遣を要請しました。この動きを受けて、1881年11月8日にカナダ・メソジスト教会婦人伝道会社（WMS）が設立され、カートメルは同年12月にWMS日本派遣婦人宣教師に志願しました。

1882年9月26日、カートメルはハミルトン市センテナリー教会で開催されたWMS第一回年会で、WMS日本派遣婦人宣教師に任命されました。同年12月5日、「シティ・オブ・トーキョー号」でカナダを出発し、同年12月27日に横浜に上陸。東京築地居留地の宣教師館に住まいを構え、バイブルクラスと婦人集会を開催しました。これが後の築地教会（現在の日本基督教団銀座教会）の母体となりました。

1883年、カートメルは女学校設立の必要性をWMSに訴え、女学校設立を計画しました。そして1884年9月25日、東洋英和女学校（後の東洋英和女学院）が東京府知事に設立認可され、カートメルは東洋英和女学校の初代校長兼英語教師に就任し、在日カナダ・ミッションのためにバイブル・ウィーメン（婦人伝道者）の養成に着手しました。

しかし、1885年に体調を崩し、静養のため東洋英和女学校校長を辞任。1887年4月には病のためカナダに帰国し、ブリティッシュ・コロンビア州のヴィクトリアで中国人伝道に携わりました。

1892年に再来日し、東京で活動を再開。1894年からは山梨英和女学校に勤務し、甲府で伝道活動を行いました。1896年にカナダに帰国し、ハミルトンで余生を過ごし、1945年3月20日に同地で生涯を閉じました。

マーサ・ジュリア・カートメルの功績は、東洋英和女学院の設立にとどまらず、日本の女子教育の発展、そしてキリスト教の伝道に大きく貢献したことにあります。彼女の献身的な活動は、今もなお多くの人々に感銘を与え続けています。

参考文献

『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年
『東洋英和女学院120年史』東洋英和女学院、2005年2月25日
『静岡英和女学院百年史』静岡英和女学院、1990年11月26日
ジャン・Ｗ・クランメル『来日メソジスト教会宣教師辞典』教分館、1996年2月25日

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