マーシフル・フェイト

マーシフル・フェイト (Mercyful Fate)

マーシフル・フェイトは、デンマークを代表するヘヴィメタルバンドで、1981年に結成されました。その音楽は、ヨーロッパのヘヴィメタルシーンに多大なる影響を与え、特にブラックメタルの開拓者として知られています。地元のバンドブラック・ローズのボーカリスト、キング・ダイアモンドと、ブラッツのギタリスト、ハンク・シャーマンが出会ったことから始まりました。彼らにギタリストのマイケル・デナーとベーシストのティミ・ハンセンが加わり、バンドが結成されました。

初期の活動（1981年-1985年）

結成から約1年後の1982年、「Rave-On Records」から自主制作のEP『マーシフル・フェイト』をリリースしました。このEPは地元のファンに歓迎され、翌1983年には、ロードランナー・レコードと契約し、1stアルバム『メリッサ』を発表。このアルバムでは、キングの特異な声とハンクの独自のギターリフが融合し、暗く恐ろしい音楽世界を構築しました。続く1984年にリリースされた2ndアルバム『ドント・ブレイク・ジ・オース』では、より美しいメロディが追加され、深みのある音楽性を実現しました。

しかし、音楽性の違いが原因で、バンド内で対立が生じ、ハンクはポップな要素を取り入れようとしましたが、他のメンバーとの意見の食い違いから、1985年にバンドは解散することとなりました。この時、キングはマイケルとティミを連れて自身のバンド「キング・ダイアモンド」を結成し、マーシフル・フェイトの音楽スタイルを引き継ぎました。一方で、ハンクは「フェイト」という新たなバンドを立ち上げ、一層ポップで洗練されたハードロックを追求しました。

再結成（1992年-現在）

1990年代に入ると、ハンクは「フェイト」を離れ、新たなプロジェクト「ZOZER MEZ」に注力しました。それと同時期に、キングの「キング・ダイアモンド」も活動を休止していましたが、1992年にオリジナルメンバーが再結集し、復活を果たしました。新たに「メタル・ブレイド・レコーズ」と契約し、1993年には約9年ぶりとなる3rdアルバム『イン・ザ・シャドウズ』を発表しました。この作品には、ベーシストのティミが再参加し、さらにはメタリカのドラマー、ラーズ・ウルリッヒがゲストとして参加しました。

その後もメンバーの交代劇が続き、ティミの脱退や新しいエリートミュージシャンの加入が繰り返されました。1994年には『タイム』というアルバムをリリースし、その後もアルバムを重ねていきましたが、1999年には再び解散となりました。解散後、キングは「キング・ダイアモンド」に専念し、ハンクは新たに「フォース・オブ・イーヴル」を結成しました。

2008年、キングは再びバンド活動に対する希望を示しました。その後、2011年にはメタリカの30周年記念コンサートに参加し、オリジナルメンバーで共演したことは大きな話題を呼びました。2019年からは、オリジナルメンバーが集まり、活動を開始しましたが、ベーシストのティミが癌を患っていることが判明。彼の療養中は代役としてジョーイ・ヴェラが参加しましたが、残念ながらティミは2021年11月4日に61歳で亡くなりました。

メンバー紹介（2024年4月時点）

• - キング・ダイアモンド（ボーカル/キーボード）
• - ハンク・シャーマン（ギター）
• - マイク・ウィード（ギター）
• - ベッキー・ボールドウィン（ベース）
• - ビャーネ・T・ホルム（ドラムス）

マーシフル・フェイトは、そのユニークな音楽スタイル、メンバーの変遷、更には再結成を経て、今日もなお生き続ける伝説的な存在として、多くのファンの心に残っています。

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