マーチン・シェリダン

マーチン・シェリダン（Martin J. Sheridan、1881年3月28日 - 1918年3月27日）は、20世紀初頭のアメリカ合衆国を代表する陸上競技選手です。アイルランドからの移民であり、その卓越した才能で、ジム・ソープ登場以前、そしてアル・オーター登場以前には「最高の陸上競技選手」「最高の円盤投選手」と評されていました。

シェリダンは、1904年のセントルイスオリンピック、1906年のアテネオリンピック（非公式大会）、そして1908年のロンドンオリンピックにおいて、円盤投で金メダルを獲得しました。特に、1906年のアテネオリンピックでは、砲丸投でも金メダルを獲得。さらに、1908年のロンドンオリンピックでは、この大会のみで行われた珍しい種目、ギリシャ式円盤投でも金メダルを獲得し、合計5つの金メダルを手にしました（公式記録としては3つ）。

金メダル以外にも、1906年のアテネオリンピックでは、石投げ（6.4kg）、立ち高跳び、立ち幅跳びで銀メダルを獲得。1908年のロンドンオリンピックでは、立ち幅跳びで銅メダルを獲得しています。これらの輝かしい実績は、彼が単に円盤投のスペシャリストではなく、多岐にわたる種目で高い能力を持っていたことを示しています。

当時、世界記録は公式なものではありませんでしたが、シェリダンは1902年から1911年の間に、少なくとも15回、円盤投の世界記録を樹立しています。これは、彼の円盤投における圧倒的な実力を裏付けるものです。

競技生活を終えたシェリダンは、ニューヨーク市警察官として勤務し、市民の安全を守る仕事に従事しました。しかし、37歳の誕生日の前日、肺炎によりその生涯を閉じました。彼の早すぎる死は、アメリカのスポーツ界にとって大きな損失でした。

マーチン・シェリダンの功績は、今日でも多くの人々に語り継がれています。オリンピックにおける複数の金メダル獲得、数々の世界記録樹立、そして警察官としての社会貢献。彼の人生は、スポーツ選手としてだけでなく、一人の人間としても尊敬に値するものであり、後世に多大な影響を与え続けています。

参考文献:
マーチン・シェリダン - Olympedia（英語）
マーチン・シェリダン - Olympic.org （英語）

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