マーチ・オア・ダイ

『マーチ・オア・ダイ』（March ör Die）は、1992年にモーターヘッドが発表した10枚目のスタジオ・アルバムです。

背景

このアルバムの制作には、複数のドラマーが参加しています。「アイ・エイント・ノー・ナイス・ガイ」では、オリジナル・ドラマーのフィル・テイラーが参加。また、アルバムの大部分の曲ではトミー・アルドリッジがドラムを担当しました。さらに、「ヘルレイザー」では、新ドラマーとして加入したミッキー・ディーが参加しています。

「ヘルレイザー」は、元々オジー・オズボーンが発表した曲の別バージョンであり、映画『ヘルレイザー3』のサウンドトラックにも使用されました。また、「キャット・スクラッチ・フィーヴァー」はテッド・ニュージェントのカバーであり、これらの曲は2017年発売のカバー・コンピレーション・アルバム『アンダー・カヴァー』に再収録されています。

「アイ・エイント・ノー・ナイス・ガイ」は、レミー・キルミスターとオジー・オズボーンがデュエットした楽曲で、スラッシュもゲスト参加しています。

評価と反響

本作は、1992年8月8日付の全英アルバムチャートで60位を記録しましたが、翌週にはトップ100圏外に落ちました。しかし、ドイツのアルバム・チャートでは13週連続でトップ100入りし、最高21位を記録しています。

オールミュージックのレビューでは、Eduardo Rivadaviaが5点満点中2点を付け、「ラジオでのオンエアを意識するあまり、モーターヘッドの特徴である自由奔放なパワーと頭蓋骨を砕くようなディストーション・サウンドを失ってしまった」と評しました。また、「モーターヘッドの作品の中でも特に不人気な作品であり、レミーはすぐに1993年の傑作『バスターズ』へと路線変更した」と述べています。

『CDジャーナル』のミニ・レビューでは、「ノイズとスピードを抑え、メロディを強調した、ある意味で最も聴きやすい作品」と評されています。

収録曲

1. スタンド - "Stand" - 3:31
2. キャット・スクラッチ・フィーヴァー - "Cat Scratch Fever" (Ted Nugent) - 3:52
3. バッド・レリジョン - "Bad Religion" - 5:01
4. ジャック・ザ・リッパー - "Jack the Ripper" - 4:39
5. アイ・エイント・ノー・ナイス・ガイ - "I Ain't No Nice Guy" (Lemmy Kilmister) - 4:18
6. ヘルレイザー - "Hellraiser" (Ozzy Osbourne, Zakk Wylde, L. Kilmister) - 4:35
7. アサイラム・クワイアー - "Asylum Choir" - 3:40
8. トゥー・グッド・トゥ・ビー・トゥルー - "Too Good to Be True" - 3:36
9. ユー・ベター・ラン - "You Better Run" (L. Kilmister) - 4:51
10. ネーム・イン・ヴェイン - "Name in Vain" - 3:06
11. マーチ・オア・ダイ - "March ör Die" (L. Kilmister) - 5:41

参加ミュージシャン

レミー・キルミスター - ボーカル、ベース、アコースティック・ギター、チェロ・アレンジ
フィル・キャンベル - リードギター、アコースティック・ギター
ワーゼル - リードギター
トミー・アルドリッジ - ドラムス（クレジットには明記されていない）
フィル・テイラー - ドラムス(on #5)（クレジットには明記されていない）
ミッキー・ディー - ドラムス(on #6)
オジー・オズボーン - ボーカル(on #5)
スラッシュ - ギター(on #5, #9)
* ピーター・ソリー - キーボード、チェロ・アレンジ

Discogs - マーチ・オア・ダイ

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