マーティン・ヘンリクソン

マーティン・ヘンリクソン：ダーク・トランキュリティを支えた音楽家

マーティン・ヘンリクソン（Hans Martin Knut Henriksson、1974年10月30日 - ）は、スウェーデン・ヨーテボリ出身のヘヴィメタルミュージシャンです。彼は、メロディックデスメタルバンド、ダーク・トランキュリティの元メンバーであり、長年にわたりメインソングライターとしてバンドを支えました。

ダーク・トランキュリティでの活躍

マーティンは1989年、アンダース・フリーデン（ボーカル）、ミカエル・スタンネ（ギター、ボーカル）、ニクラス・スンディン（ギター）、アンダース・ジヴァープ（ドラムス）らと共に、セプティック・ブロイラー (Septic Broiler)を結成しました。当初、彼はベーシストとしてバンドに参加。セプティック・ブロイラーがダーク・トランキュリティ (Dark Tranquillity)に改名した後も、引き続きベースを担当しました。

1999年、ギタリストのフレドリック・ヨハンソンが脱退したことを機に、マーティンはギタリストに転向。ベーシストにはルシフェリオンのギタリスト、マイケル・ニクラソンが加入しました。この転向は、バンドの音楽性に新たな風を吹き込むことになります。

マーティンは、ダーク・トランキュリティのすべてのアルバムにおいて、作曲クレジットに名を連ねる唯一のメンバーです。これは、彼がバンドの音楽的中心人物であったことを示しています。

ダーク・トランキュリティの他のメンバーが複数のバンドに参加経験があるのに対し、マーティンはダーク・トランキュリティとその前身バンドであるセプティック・ブロイラーのみに在籍していました。彼は一途にダーク・トランキュリティの音楽を追求し続けたのです。

突然の脱退

2016年3月末、マーティンはダーク・トランキュリティからの脱退を発表し、ファンに衝撃を与えました。脱退の理由は、音楽を演奏することへの情熱を失ってしまったためとされています。長年バンドを支え続けた彼にとって、苦渋の決断だったことでしょう。

プレイスタイル

ダーク・トランキュリティにおいて、マーティンはリズムとメロディーの両方を担当していました。彼は、滑らかな演奏スタイルを持つギタリストとして知られており、荒々しい演奏スタイルのもう一人のギタリスト、ニクラス・スンディンとは対照的でした。

マーティンは、基本的にギターソロを演奏することは少なく、ソロはニクラスが担当することがほとんどでした。ただし、『Focus Shift』(『Fiction』収録)や『Lost to Apathy』(『Character』収録)など、いくつかの楽曲では、彼が比較的スローなソロパートを演奏しています。マーティンのリフは、しばしばピック・スライドやハーモニクスによって彩られています。ベースを演奏していた頃から、メロディを重視したプレイスタイルは一貫していました。

使用機材

マーティンのステージでの主な使用機材は、Gibson ExplorerとGibson Les Paul Studio Liteです。彼は以前、Rocktron Prophesyのラックマウントプリアンプを使用していましたが、6thアルバム『Damage Done』に伴うツアーの後、ニクラス・スンディンと共にPeavey 5150とMesa/Boogie Dual Rectifier プリアンプ、そしてベリンガー V-AMP2 modeling processorsを使用するようになりました。9thアルバム『We Are the Void』のメイキング映像では、Peavey 6505を使用している様子が確認できます。

ダーク・トランキュリティを脱退した今も、彼の音楽は多くのファンに愛され続けています。彼の作曲した楽曲は、メロディックデスメタルの歴史に深く刻まれていると言えるでしょう。

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