ミイラの墓場

『ミイラの墓場』：不死身の呪縛と復讐の連鎖

1942年、アメリカ合衆国で公開されたホラー映画『ミイラの墓場』（原題：The Mummy's Tomb）は、1940年の『ミイラの復活』に続く、ミイラを題材としたシリーズ作品です。前作から30年が経過した世界を舞台に、不死身のミイラ男カリスの恐るべき復讐劇が描かれています。

物語の舞台: 前作の主人公、スティーブ・バニングは、妻マルタとの間に息子ジョンをもうけていましたが、マルタは既に亡くなっています。ジョンにはイゾベルという恋人がいます。物語はアメリカを舞台に展開しますが、物語の鍵を握るミイラ男カリスはエジプトからやってきます。

不死身の脅威: エジプトで息を潜めていたアンドヘブとカリスは、再び動き出します。アンドヘブは、バニング家への復讐を後継者ムハンマド・ベイに託し、ムハンマドはカリスと共にアメリカへ渡ります。彼らはバニング家の屋敷があるメープルトンに潜み、復讐の機会を伺います。

恐怖の連続殺人: カリスは、まずスティーブを殺害し、続いてスティーブの姉ジェーンにも襲いかかります。連続殺人事件として、警察や新聞記者たちが捜査を開始。スティーブの親友であるベーブ・ハンソンも捜査に加わりますが、カリスによって命を奪われます。

横恋慕とクライマックス: 一方、ムハンマド・ベイはジョンの恋人イゾベルに恋心を抱き、カリスを使ってイゾベルを誘拐しようとします。しかし、ジョンと警察は墓地に集結し、松明を持ってムハンマド・ベイを射殺。カリスも炎の中で絶命します。

ロン・チェイニー・ジュニアとミイラ男: 本作でミイラ男カリスを演じたのは、ロン・チェイニー・ジュニアです。彼は前作でカリスを演じたトム・タイラーとは異なり、この役をあまり好んでいなかったと言われています。メイクアップアーティストのジャック・ピアースは、チェイニーにラバーマスクをかぶせ、毎日8時間かけて、古びた包帯を丁寧に巻いていました。これは、従来のコットン素材のメイクアップとは異なる手法でした。

その他: ウォーレス・フォード演じるベーブ・ハンソンの役名は、脚本段階では「ベーブ・ジョンソン」でしたが、変更されています。その理由は不明です。また、本作は1942年10月23日に『Night Monster』と二本立てで公開され、1948年には再上映されました。

総括: 『ミイラの墓場』は、ミイラ映画シリーズの中でも重要な作品の一つです。ロン・チェイニー・ジュニアの怪演、緊迫感のあるストーリー展開、そして時代を感じさせる特撮技術など、見どころが満載の作品です。前作からのつながりを理解しながら観賞すると、より深く物語を楽しむことができるでしょう。キャスト陣の演技にも注目し、ミイラ映画の歴史における重要な一作を堪能してください。

もう一度検索