ミクリ

ミクリ（学名：Sparganium erectum）は、ガマ科（またはミクリ科）ミクリ属に分類される多年生の抽水植物です。別名としてヤガラとも呼ばれ、古い文献には「削堅中尉」という異名も記録されています。

分布

ミクリは、北半球の温帯から寒帯にかけて広く分布しており、湖沼や河川などの水域に生育します。オーストラリアにも分布が確認されています。日本では、かつては全国各地で見られましたが、近年は生息数が減少しており、貴重な植物となりつつあります。

形態と生態

ミクリは、地下[[茎]]を伸ばして繁殖する抽水植物です。地下[[茎]]から直立する茎は、最大で2mに達します。葉は線形で細長く、茎に沿って伸びます。

花期は6月から9月で、茎の先に特徴的な球状の頭状花序を形成します。この花序は、雄花と雌花がそれぞれ数個ずつ集まっており、枝分かれした様子が栗のイガに似ていることから「実栗」という和名が付けられました。果実が形成される頃には、花序の直径は2～3cmになります。

利用

ミクリは、その独特な姿から観賞用水草として利用されることがあります。水槽やビオトープなどに植栽されることで、水辺の景観を彩ります。

その他

ミクリは、水質浄化能力を持つ植物としても知られています。水中の栄養分を吸収し、水質を改善する効果が期待されており、環境保全の面でも注目されています。

近年、ミクリの生息地は、開発や水質汚染などにより減少しています。ミクリをはじめとする水生植物の保護は、水辺の生態系を守る上で重要な課題となっています。

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