ミサイル警報装置

ミサイル警報装置（MAWS）について

ミサイル警報装置、英語ではMissile Approach Warning System（MAWS）は、主に防衛用にミサイルの接近を検知するための機器です。21世紀に入り、赤外線誘導ミサイルの技術が進化し、小型化が進んだことで、スティンガー・ミサイルなど身近な場面からもミサイルが発射されるようになりました。このため、航空機や地上車両には、ミサイルの接近を感知し対応する機能が必要とされています。2007年時点では、主に軍用の航空機に搭載されており、特に戦闘機や輸送機、地上の戦車などに実用化が進んでいますが、今後は民間航空機にも適用される可能性があります。

技術的な特徴

ミサイル警報装置は、様々な波長の光センサーを利用してミサイルの位置を特定します。以下に主な技術を説明します。

赤外線警戒技術

特に3～5µmと8～12µmの赤外線波長が重要です。前者はミサイルのロケットモーターの高温排気を感知し、後者は弾頭部の熱源を探知します。3～5µm帯は大気中の水蒸気による影響が少なく、透過性に優れていますが、周囲の環境ノイズも多いため、ノイズ低減技術が求められます。ここでは、2波長光学同時走査方式が活用され、ロケットモーターの赤外線放射と周囲の太陽光を同時に測定することで、正確にミサイルを検出します。

紫外線警戒技術

ミサイルのロケット・モーターが放つ紫外線も重要です。紫外線は大気によって吸収されるため、地上では比較的微弱ですが、高感度のセンサーによって検出が可能です。紫外線の探知は他の波長と組み合わせる必要があり、特に赤外線センサーとの併用が効果的です。

レーザー光線警戒技術

赤外線追尾とは異なり、レーザー誘導ミサイルや爆弾の危険を検知するためには、発射されたレーザー光線を検出します。レーザーの波長は様々で、これを感知するための多方向センサーが必要となります。これらの技術では、解析が行われ、脅威の正確な特定が可能となります。

代表的な機器

いくつかの代表的なミサイル警報装置を紹介します。

• - AN/AAR-47: ノースロップ・グラマン社製で、様々な航空機に搭載されています。
• - AN/AAR-54: UH-60Jなどに装備され、他のシステムとも統合されています。
• - AN/AAR-57: BAEシステムズ製で、複数の軍用機に使用されています。
• - AN/AAR-60: Hensoldt社の装置で、海上自衛隊や他の航空機に対応しています。

開発中の装置

現在進行中の研究では、次の2種類の妨害装置が注目されています。

• - DIRCM（指向性[[赤外線妨害装置]]）: 赤外線誘導ミサイルに対抗する新しいシステムです。
• - ATIRCM（先進脅威対抗赤外線妨害装置）: 軍事利用に特化した妨害装置です。

具体的なシステム

DIRCMは、赤外線追尾ミサイルから航空機を保護するために設計されています。システムはアクティブまたはスタンバイモードによって機能し、脅威が発生した際に積極的に妨害を行います。AAQ-24 ネメシスは、この技術の代表例であり、様々な疑問に対する有効な手段となることでしょう。

結論

ミサイル警報装置は、現代の戦闘機や地上車両において極めて重要な役割を果たす技術です。新しい技術の導入により、今後もその重要性が増すことが予想されています。

もう一度検索