ミシェル・サルダビー

ミシェル・サルダビー：カリブ海が生んだジャズピアニスト

ミシェル・サルダビー（Michel Sardaby, 1935年9月4日 - 2023年12月6日）は、フランス領マルティニークで生まれ、フランスのジャズシーンで活躍したピアニストです。その音楽は、カリブ海の豊かなリズムと、ヨーロッパの洗練されたハーモニーが融合した独特の響きを持っています。

生い立ちと音楽との出会い

1935年、フランス領西インド諸島のマルティニークで生を受けたサルダビーは、幼少期から音楽に触れて育ちました。1947年にはアメリカ合衆国のニューヨークへ移住し、異文化の中で様々な音楽に触れる機会を得ます。そして1953年、活動の拠点をフランスのパリへと移し、本格的にジャズピアニストとしてのキャリアをスタートさせました。

パリのジャズシーンでの活躍

パリの有名なジャズクラブ「ブルーノート」を中心に、ケニー・クラーク、チェット・ベイカー、デクスター・ゴードン、ジョニー・グリフィン、ドン・バイアスなど、数々のジャズの巨人たちと共演し、その才能を磨きました。1969年には、クインテット編成による初のリーダーアルバム『ファイヴ・キャッツ・ブルース』を発表し、注目を集めます。

日本との縁

1990年には初来日公演を行い、日本のジャズファンを魅了しました。彼の演奏は、情感豊かで、聴く人の心に深く響くものでした。

晩年と遺産

2023年12月6日、パリにて88歳で逝去。その生涯をジャズに捧げました。彼の音楽は、今もなお多くの人々に愛され、次世代のジャズミュージシャンに影響を与え続けています。

ディスコグラフィー（一部）

『ブルー・サンセット』 - Blue Sunset (1967年、Disques Debs)
『ファイヴ・キャッツ・ブルース』 - Five Cat's Blues (1969年、President)
『ナイト・キャップ』 - Night Cap (1970年、Sound Hills)
『イン・ニューヨーク』 - Michel Sardaby in New York (1972年、Sound Hills)
『ゲイル』 - Gail (1975年、Disques Debs)
『カリビアン・デュエット』 - Caribbean Duet (1985年、Harmonic) ※with モンティ・アレキサンダー
『ヴォヤージ』 - Voyage (1985年、Harmonic) ※with ロン・カーター
『ゴーイング・プレイシーズ』 - Going Places (1990年、Mantra)
『ナイト・ブロッサム』 - Night Blossom (1990年、DIW)
『CON ALMA』 - Con Alma (1990年、Mantra)
『ストレイト・オン』 - Straight On (1993年、Sound Hills)
『プレイズ・クラシックス&バラード』 - Plays Classics and Ballads (1997年、Sound Hills)
『インテンス・モーメント』 - Intense Moment (1997年、Sound Hills)
『カレン』 - Karen (2003年、Sound Hills)
『アット・ホーム』 - At Home (2004年、Sound Hills)
『NIGHT IN PARIS』 - Night in Paris (2005年、Sound Hills)
『ナチュール』 - Nature (2012年、Sound Hills)

参考文献

寺島靖国『JAZZリクエスト・ノート』講談社、1992年、32頁。
寺島靖国『辛口！JAZZ名盤１００１』講談社+α文庫、1993年、143,153,203,240頁。
『季刊ジャズ批評別冊 ヨーロッパのジャズ・ディスク1800』、松坂、1998年、303-304頁 。

外部リンク

allmusic Michel Sardaby
ミシェル・サルダビー - Discogs

ミシェル・サルダビーの音楽は、カリブ海の風、パリの洗練、そしてジャズの魂が融合した、唯一無二のものです。ぜひ彼の作品に触れ、その音楽の魅力を体験してみてください。

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