ミシェル・バルニエ内閣

ミシェル・バルニエ内閣（2024年9月～12月）

ミシェル・バルニエ内閣は、2024年9月5日にミシェル・バルニエが首相に指名され、9月21日の閣僚指名を経て発足したフランスの内閣です。しかし、同年12月5日に総辞職し、その存続期間はわずか3ヶ月という短命に終わりました。

内閣成立の背景

第五共和政下で45番目の内閣となるバルニエ内閣は、2024年のフランス議会総選挙の結果を受けて、ガブリエル・アタル内閣が辞職したことにより成立しました。この総選挙は、同年6月に行われた欧州議会議員選挙で、マリーヌ・ル・ペン率いる極右政党「国民連合 (RN)」が勝利したことを受け、エマニュエル・マクロン大統領が国民議会を解散し、総選挙に打って出たものでした。

総選挙の結果、第1回投票では国民連合が勝利しましたが、決選投票となる第2回投票では、マクロン大統領率いる中道与党「再生 (RE)」と、ジャン＝リュック・メランション率いる極左政党「不服従のフランス (LFI)」や社会党 (PS) などの左派連合との間で候補者調整が行われました。その結果、左派連合とマクロン与党が勝利し、国民連合は少数派に転落しました。

この選挙結果を受け、マクロン与党出身のガブリエル・アタル首相は内閣総辞職を決定。後継内閣が指名されるまでの間、暫定内閣として職務を継続することとなりました。しかし、3勢力が均衡する中で、勢力間の対立だけでなく、各勢力内部での主導権争いも表面化し、マクロン大統領による首相指名は難航しました。フランスが主催国となるパリオリンピックとパラリンピックを挟み、9月5日になってようやく、中道右派の共和党からミシェル・バルニエが首相に指名されたのです。

この首相指名に対して、選挙で最大勢力となった左派連合（特に極左のLFI）からは強い反発が起こり、フランス全土で抗議デモが発生しました。

その後、閣僚の指名にも時間を要し、首相指名から16日後の9月21日にようやく閣僚名簿が発表されました。左派は主要閣僚から外され、マクロン与党「再生」と中道右派「共和党」から多くの閣僚が指名されることとなりました。

短命に終わった内閣

しかし、バルニエ内閣は長くは続きませんでした。2024年12月4日、1962年以来62年ぶりとなる内閣不信任決議が賛成多数で可決されたのです。翌12月5日、バルニエ内閣はマクロン大統領に辞表を提出し、受理されたため総辞職。わずか3ヶ月という短命内閣として幕を閉じました。

内閣不信任決議が可決された背景には、総選挙後の政局の不安定さ、左右両派の対立、そして、国民の政治不信など、様々な要因が考えられます。バルニエ内閣の短命さは、現代フランス政治の抱える課題を象徴する出来事と言えるでしょう。

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