マリーヌ・ル・ペン

マリオン・アンヌ・ペリーヌ・ル・ペン：フランスの政治家

マリオン・アンヌ・ペリーヌ・ル・ペン（Marion Anne Perrine Le Pen）は、1968年8月5日生まれのフランスの政治家、弁護士であり、国民連合（Rassemblement National、RN）の党首として知られています。国民連合は、彼女の父であるジャン＝マリー・ル・ペンによって創設された極右政党です。

略歴

パリ第2大学で法学の学位を取得後、弁護士として活動。2002年には、父の思想を広めるための組織「ル・ペンの世代」の代表を務めました。2003年には国民戦線の副党首に選出され、2004年の地域圏選挙ではイル＝ド＝フランス地域圏から立候補しました。欧州議会議員も務め、複数回再選されています。

大統領選挙への挑戦

ル・ペンは、2012年、2017年、2022年のフランス大統領選挙に立候補。2017年と2022年には決選投票まで進みましたが、いずれもエマニュエル・マクロンに敗れています。特に2022年の選挙では、マクロンが58.54%の得票率に対し、ル・ペンは41.46%でした。

政治姿勢と主張

ル・ペンは、国民戦線のイメージ刷新を図り、ソフトなイメージ戦略を展開しました。政策面では、移民問題、治安対策、EUとの関係など、多岐にわたるテーマについて独自の主張を展開しています。

移民問題

移民問題に対しては、フランス社会への同化を重視する立場を取っています。イスラム過激主義への対策を強化し、「フランス社会にふさわしいイスラーム」を求めています。また、EU外の二重国籍の廃止を主張しています。

治安対策

テロリズムに対しては、死刑制度の復活や、より強固な法的措置の導入を訴えています。国境警備の強化も主張しており、シェンゲン協定の見直しを求めています。

EUとの関係

ユーロ圏からの離脱も視野に入れた政策を提唱しています。ギリシャの債務危機に際しては、ユーロ離脱を促しました。

その他の政策

妊娠中絶や同性愛については容認する姿勢を示しています。ただし、2013年に合法化された同性結婚については、廃止を主張していました。

人物

ローマ・カトリック教徒として育ちました。過去に2度の離婚を経験しており、現在はルイ・アリオと交際しています。

親族

姪のマリオン・マレシャル＝ル・ペンは、保守政党「再征服」の副党首を務めています。

著書

自伝『À contre flots』(2006年)や、『自由なフランスを取りもどす 愛国主義か、グローバリズムか』(2017年)などの著書があります。

汚職疑惑

欧州議会議員時代には、公設秘書給与の不正流用疑惑が浮上し、フランスの予審判事が予審を開始。EU司法裁判所は不正受給を認定し、2024年にはフランスの裁判所で公判が開始されました。

まとめ

マリーヌ・ル・ペンは、フランスの政治において重要な役割を果たしている人物です。極右政党の党首として、移民問題や治安対策など、現代社会の課題に対して独自の政策を打ち出しています。大統領選挙への挑戦を通じて、フランス社会に大きな影響を与え続けています。

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