琵琶湖汽船の豪華客船「ミシガン」
1982年
4月2日に就航した「ミシガン」は、
琵琶湖汽船を代表する大型
旅客船です。アメリカ合衆国
ミシガン州に因んで名付けられ、
ミシシッピ川の外輪船を思わせるその風格は、
琵琶湖の景観に独特の趣を添えています。日本最大級の外輪船として、国内で現役として最も長く運航されている船でもあります。
東京ディズニーランドの
蒸気船マークトウェイン号と並ぶ、世界でも数少ない現役の外輪船の一つとして、その希少性も高く評価されています。
船内設備:優雅な空間とバリアフリー設計
4層からなるデッキは、
エレベーターや多目的トイレを完備し、バリアフリーにも配慮された設計となっています。各層には、趣の異なるレストランやカフェ、売店が設けられており、乗船客は様々な楽しみ方ができます。
1階: ミシガンダイニングでは、モーニングやアフタヌーンティーを楽しむことができます。
2階: ミシガンホールは
ビュッフェスタイルのレストラン、ミシガンカフェも併設されています。
3階: ロイヤルルームは最大28名まで収容可能な貴賓室として、特別な機会の貸切利用が可能です。ステージも設置されており、様々なイベントにも対応できます。ミシガンバーも3階にあります。
4階: 露天甲板であるミシガンスカイデッキからは、
琵琶湖の雄大な景色を一望できます。また、操舵室も見学可能です。
これらの設備により、優雅で快適な船旅を提供しています。ミシガンダイニングやミシガンホールの利用には、事前予約が必要です。
琵琶湖周遊クルーズ:多様な航路とプラン
「ミシガン」は、大津港を拠点に、におの浜観光港、柳が崎湖畔公園港などを巡る
琵琶湖南湖周遊クルーズを行っています。複数のコースが用意されており、乗船客はそれぞれの予定や好みに合わせて選択できます。
主なコースは以下の通りです。運航状況は季節や曜日によって異なるため、事前に
琵琶湖汽船の公式ウェブサイト等で確認することをお勧めします。
ミシガン90: 1日2便運航(11:00発、13:00発)。冬季は土日祝のみ運航。
ミシガン60: 1日2便運航(9:40発、15:00発)。9:40発便は冬季運休(12/30~1/3を除く)。15:00発便は冬季は土日祝のみ運航。
ミシガンナイト: 1日1便運航(18:30発)。
ゴールデンウィーク・夏休み期間の土日祝のみ運航。冬季は運休。
南湖遊覧ボート: 1日2便運航(11:00発、14:00発)。冬季は平日み運航。土日祝はミシガンクルーズ。
団体予約があれば、運休便の運航も検討される場合があります。
文化と歴史を彩る「ミシガン」
「ミシガン」は、単なる観光船としてだけでなく、地域の文化や歴史にも深く関わっています。
毎年3月第2土曜日に開催される「びわ湖開き」では、
NHK大阪放送局制作の
テレビドラマに出演する俳優が1日船長を務め、
琵琶湖の春の到来を祝うイベントが開催されます。「ミシガン」は、このイベントの花形として、湖上パレードを先導する重要な役割を担っています。
また、1984年には
テレビドラマ『
西部警察』のロケ地として使用され、劇中では犯人に船を乗っ取られるシーンが撮影されました。
さらに、
びわこ競艇場では、際どいレースのスタートやゴールの合図に「ミシガンチャイム」と呼ばれる「ミシガン」のチャイム音が使用されています。
このように、「ミシガン」は
琵琶湖の象徴として、地域社会に深く根付いた存在となっています。その歴史と存在感は、
琵琶湖クルーズの特別な魅力となっています。