ミシガン州の郡一覧

ミシガン州は、現在83の郡から構成されています。これらの郡の境界線は、1897年以降はほとんど変わっていませんが、19世紀には州議会によって頻繁に変更されていました。郡の設立は、未開拓地への行政組織の設置と、入植を促進するための土地測量および区画販売という二つの主要な目的を達成するために行われました。

郡設立の過程は大きく二段階に分かれます。まず、未編入地域に郡の領域を定め、名称を与えます。地図上には郡として表示されるものの、行政組織が整備されるまでには数年を要するケースもありました。この期間、未組織の郡は、既に組織化されていた郡に編入され、管理されていました。州議会は、これらの未組織郡の所属先を頻繁に変更したため、住民は州議会に組織化を請願し、正式に独立した郡として認められることを目指しました。

ミシガン州には、郡の境界を跨ぐ都市や村が多く存在します。州都ランシングもその一つです。1970年代初頭には、複数郡にまたがる都市が、市域に沿って郡境を変更する請願権を持つ時期がありました。この機会を利用したのはニューボルティモア市のみで、元々はマコーム郡とセントクレア郡にまたがっていましたが、現在はマコーム郡に完全に含まれています。これは20世紀以降、唯一の郡境変更となっています。

1850年のミシガン州憲法では、人口2万人以上の法人化都市は独自の郡を組織化できると規定していました。1908年の憲法では、人口要件が10万人に引き上げられましたが、この規定によって独立した郡が設立されることはありませんでした。1963年の憲法改正で、この条項は削除されました。

郡名の由来は様々で、その多くは歴史的な資料から推測するしかありません。19世紀初頭には、文化的・政治的な理由から多くの郡名が変更されました。9つの郡名はヘンリー・スクールクラフトによって命名され、インディアンの言語、ギリシャ語、アラビア語、ラテン語が用いられています。しかし、スクールクラフトが用いた言葉の中には、実際には存在しなかった言葉や、異なる部族の言語を混用したものも多く、その正確性については議論があります。4つの郡名は、アイルランドの地名に由来し、ある州議会議員やその選挙区民の郷里にちなんで命名されたと考えられています。10の郡は「閣僚郡」と呼ばれ、アンドリュー・ジャクソン大統領の内閣メンバーに因んで命名されました。8郡は1829年、リビングストン郡は1833年、カス郡は1829年に命名されましたが、ルイス・カスがジャクソン内閣に加わったのは1831年でした。

ミシガン州には、歴史上存在したが現在は廃止されている郡も存在します。ブラウン郡、クロウフォード郡、デモイン郡、ダビューク郡、アイオワ郡は、1836年にウィスコンシン準州に移管されました。アイルロイヤル郡は一時的にキーウィーノー郡から分離されましたが、後に再編入されています。マニトウ郡は1895年に廃止され、シャルルボワ郡とリーラノー郡に吸収されました。ケスコーコ郡は改名と合併を繰り返した後、廃止されています。ミルウォーキー郡、オミーナ郡、ワイアンドット郡も同様に廃止されています。これらの廃止された郡は、ミシガン州の歴史における州境の変遷や行政区分変更を反映しています。

これらの郡の設立、廃止、そして名称変更の歴史を辿ることは、ミシガン州の政治、経済、社会の発展を理解する上で重要な手がかりとなります。郡名の由来を探ることは、ミシガン州の多様な文化的背景を知る上で大変興味深いものです。州の成立から現在に至るまでの歴史的変遷を紐解くことで、ミシガン州の複雑で豊かな歴史の一端に触れることができるでしょう。

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