ミシシッピ州議会

ミシシッピ州議会の概要

ミシシッピ州議会は、ミシシッピ州の立法を担う機関であり、二院制を採用しています。下院（House of Representatives）は122名の議員で構成され、上院（Senate）は52名の議員で構成されています。議員はそれぞれ選挙区から選出され、任期は4年です。任期制限は設けられていません。

歴史

1800年から1833年までは、ミシシッピ準州およびミシシッピ州の立法機関は「総会（General Assembly）」として知られていました。その後、「ミシシッピ州議会」と呼ばれるようになりました。リコンストラクション時代には、議会は2年ごとに開催されていましたが、1890年の憲法改正により、4年に1度の定期開催となりました。しかし、1910年には隔年開催に戻り、1968年からは毎年開催されるようになりました。1977年には、立法区を人口比で均等に配分することが義務付けられました。

議員

ミシシッピ州議会には合計174名の議員がおり、下院が122名、上院が52名です。議員は選挙区を代表し、4年間の任期で選出されます。ミシシッピ州は、下院の規模が全米で14番目、上院の規模が5番目に大きい州です。

下院の選挙区は人口約24,000人、上院の選挙区は人口約55,000人となるように区割りされています。下院の候補者は21歳以上、上院の候補者は25歳以上であることが必要です。各院は議員の資格を判断する権限を持っています。

ミシシッピ州議会は非常勤の議会であり、ほとんどの議員は他の職業に従事しています。議員の基本給は年間23,000ドルですが、給与、日当、その他の報酬を合わせると、年間40,000ドルから50,000ドル、一部の議員は70,000ドル前後の報酬を得ています。

すべての議員は、州憲法に定められた宣誓を行い、州憲法と連邦憲法への忠誠を誓い、職務執行に責任を持つことを約束します。また、票の売買に関与しないことも誓約します。州憲法では、議員は会期中および会期前後15日間は、「反逆、重罪、窃盗、治安違反」の場合を除き、逮捕を免除されると定められています。議員の欠員が生じた場合、知事が選挙令状を発布し、残りの任期を争うための選挙が行われます。

議会構造とプロセス

州憲法は、上院と下院からなる二院制の議会を規定しています。議会は年1回の定例会期を持つことが義務付けられており、会期の大部分は90日間、4年ごとの会期は125日間です。議員の3分の2の賛成があれば、会期を延長することができます。知事は、特定の問題を審議するために臨時会期を招集することもできます。

議会は1903年以来、ジャクソンのミシシッピ州会議事堂で開催されています。

一方の議院は、他方の議院の同意なしに3日以上休会することはできません。各院は、議員の過半数をもって定足数としますが、少数で招集し、欠席議員の出席を強制する投票を行うことも可能です。

各院はそれぞれ役員を選出します。下院を率いるのは議長で、下院議員の中から選ばれます。上院は副知事が議長として率います。副知事は州選挙で選出され、職権で上院議長を務めます。

各院の役員に次ぐのは、下院仮議長および上院仮議長です。仮議長は、それぞれの院の立法委員会の指導部を決定します。合同会議で賛否同数の場合は、副知事が決定票を投じる権限を持ちます。

州憲法は、議会に議事規則を定める権限、乱暴な行動をした議員を罰する権限、所属会派の3分の2の賛成で議員を除名する権限を与えています。立法手続きは、秘密保持が必要とされない限り公開され、各院は傍聴者を罰する権限を持ちます。各院は、議事の経過を記録する公式日誌を作成します。

法案はいずれかの院で発議され、もう一方の院で修正または否決されることがあります。各院で3回異なる日に題名を読み上げなければならず、3分の2以上の賛成がない限り、規則は一時停止されません。州憲法は、法案の当初の目的を変更するための修正を禁止しています。第二院で修正された法案は、第一院に戻され、修正を受け入れるかどうか投票が行われなければなりません。

すべての法案は、各院の委員会で審議されなければなりません。会期の最後の3日間は法案を提出できません。ほとんどの法案は、各院の単純多数決で可決されます。課税財産の評価を変更する歳入法案や措置は、議員の5分の3の承認を必要とします。両院で可決された法案は、各院の議長が署名します。

権限

州議会は州法を制定し、州政府の資金を充当する権限を持っています。議会が可決した法案は、知事が拒否権を発動しない限り法律となりますが、各院の議員の3分の2以上の賛成があれば、拒否権を無効にすることができます。議会は公聴会を開催し、望む事柄を調査する権限を持っています。

州図書館司書の選出は議会が行います。反乱や外国の侵略があった場合、議会は人身保護令状（ヘイビアス・コーパス）を停止することができます。下院は、議員の3分の2の同意があれば国家公務員を弾劾し、上院での裁判にかける権限を有し、上院は議員の3分の2の同意があれば公務員を罷免することができます。

議会は、各院の議員の3分の2の賛成で州憲法の改正案を可決することができます。改正案は住民投票による批准が条件となります。

政治力学

法案は通常、議会で可決される前に委員会を通過する必要があります。委員長は、委員会または本会議に法案を上程しないことを選択し、法案を廃案にすることができます。上院の財政委員会、下院の歳入委員会、歳出委員会の委員長は、法案に対して大きな影響力を持っています。ミシシッピ州の裁判官は通常、議会の内部決定や運営に関する法的問題については、議会に委ねており、司法審査の対象とはなりません。

近年、選挙における競争が低下しており、2011年には63％の議席で対立候補が存在せず、2023年には85％に達しました。AP通信は、この状況が「有権者が選出された代表者に責任を負わせる能力に疑問を投げかけている」と指摘しています。

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